メーカー別に見ると、トヨタの2025年の世界生産台数は、前年比4.5%増の995万904台と2年ぶりにプラスへ転じた。このうち国内生産は、同4.7%増の327万5628台と2年ぶりのプラスで、トヨタが基準とする国内での年産300万台を確保した。主力車種の国内販売が安定していたことに加えて、2024年が「プリウス」の後席ドアハンドルの不具合によるリコールで4月上旬〜6月中旬に工場の稼働を停止。生産工程の確認のため「ノア/ヴォクシー」と「アルファード」も4月上旬〜中旬に生産を停止した。さらに、6月に発覚した認証不正問題により、「ヤリスクロス」「カローラフィールダー/アクシオ」の生産を9月上旬まで停止するなど、2024年に主力モデルの生産を相次ぎ停止した反動増が表れた格好だ。輸出も、主力の北米の2桁%増をはじめ、中南米、欧州、アジア、中東、アフリカ向けなどでプラスを確保し、同7.1%増の203万1460台と2年ぶりに前年実績を上回った。
海外生産も好調で、前年比4.4%増の667万5276台と2年ぶりに前年実績を上回るとともに、暦年の海外生産として過去最高を更新した。地域別では、主要市場の北米は、「カムリ」「シエナ」などのHEVが好調の他、前年に運転席エアバッグのリコールによる「レクサスTX」と「グランドハイランダー」の生産を停止していた反動もあり、同9.4%増の224万1631台と2年ぶりに増加した。さらに中国も、新型EV「bZ3X」や「bZ5」、HEVの好調に加えて、政府の補助金政策と連動した販売促進策などが奏功し、同3.9%増の156万7036台と3年ぶりに前年実績を上回った。中国以外のアジアも、主要市場のタイは自動車ローンの厳格化など厳しい市況が続いている中、新型「ヤリスエイティブ」のHEVモデルや新型「ハイラックス」の好調などにより、同5.4%増の56万4924台と3年ぶりのプラス。インドネシアもローンの厳格化や追加課税の導入など厳しい環境の中、輸出需要の拡大により同1.2%増の26万3453台と2年ぶりに増加。インドは「アーバンクルーザーハイランダー」や「イノーバハイクロス」などの販売好調が続いている他、自動車関連諸税の減税効果もあり、同3.9%増の40万3618台と5年連続のプラス。その結果、アジアトータルでは同3.7%増の314万4680台と2年ぶりにプラスを確保した。欧州はHEV需要の一服感などもあり、同2.0%減の80万9941台と伸び悩み、5年ぶりに減少した。
12月単月の世界生産は、前年同月比0.5%減の76万7085台と2カ月連続の前年割れとなった。このうち国内生産は、同2.4%減の24万9223台と2カ月連続のマイナスだった。これについてトヨタは「需要は堅調で前年並み」としている。輸出も同7.7%減の16万2390台と2カ月連続で減少した。
海外生産は、前年同月比0.5%増の51万7862台と2カ月ぶりに前年実績を上回った。地域別では、主要市場の北米は、HEV人気に加え、前年のレクサスTXとグランドハイランダーの生産停止からの回復もあり、同11.1%増の15万786台と11カ月連続のプラス。欧州も前年に比べて稼働日が多い影響で、同12.4%増の6万4499台と2カ月連続で増加した。一方、中国は、代替え補助金策が打ち切りとなった地域が拡大したことに加えて、新たな政策を期待して様子見する動きが広がり、同11.0%減の14万6432台と3カ月連続のマイナスだった。中国以外のアジアは、インドが前年より稼働日が少ない影響で同9.3%減の3万434台と減少。ただ、タイはヤリスエイティブHEVや新型ハイラックスの効果で同8.0%増の4万5211台と伸長した。それでも中国の落ち込みはカバーできず、アジアトータルでは同5.3%減の27万2948台と2カ月連続で減少した。
暦年生産でトヨタに次ぐ2位につけたのがスズキだ。2025年の世界生産は、前年比3.8%増の342万3403台と5年連続で増加した。世界生産の約3分の2を占めるインドは、2025年2月からカルコダ工場の稼働を開始した他、インド国内での物品/サービス税(GST)引き下げによる需要拡大、さらに中近東およびアフリカ、日本向けの輸出が増加したことなどを受けて、同9.3%増の225万4449台と5年連続で増加し、暦年のインド生産として過去最高を更新した。インド以外の海外生産も、インドネシアで「フロンクス」の生産を開始したことなどにより、同2.6%増の21万2750台と3年ぶりに増加。海外生産トータルでは同8.7%増の246万7199台と2年連続で前年実績を上回り、過去最高を記録した。
海外が好調だった半面、国内生産は伸び悩んだ。前年比7.2%減の95万6204台と4年ぶりの前年割れとなった。中央発條の爆発事故の影響により、3〜4月に相良工場(静岡県牧之原市)と湖西第2工場(静岡県湖西市)で稼働停止を余儀なくされ、「スイフト」「ソリオ」「クロスビー」「アルト」「ワゴンR」などに影響が出た。さらに5〜6月には、中国のレアアース輸出規制の影響でスイフトの生産を停止。また、欧州向け「イグニス」「ジムニー」の生産終了も減産要因となり、輸出も同17.7%減の19万5618台と大幅に落ち込み、6年ぶりのマイナスだった。
足元ではインドの物品税引き下げを受けて、好調が続いている。12月単月の世界生産は、前年同月比21.8%増の30万8280台と4カ月連続で増加した。8社で最大の伸び率で、単月でもトヨタに次ぐ2位につけた。けん引役は主力のインドで、物品税需要対応の増産に加えて、新型SUV「ビクトリス」の生産開始、輸出の増加などにより、同34.4%増の21万1770台と4カ月連続のプラス。全ての月を通じてインドの単月生産として過去最高を記録した。さらにインド以外も、インドネシアでのフロンクスの生産開始などで、同26.4%増の1万7890台と4カ月連続で増加した。その結果、海外生産トータルは、同33.8%増の22万9660台と大きく伸長。4カ月連続で前年実績を上回るとともに、12月の海外生産として過去最高となった。
一方、国内生産は、前年同月比3.4%減の7万8620台と3カ月連続のマイナスだった。1月の国内販売を見ると、大幅改良を実施したクロスビーは伸長したが、主力の「スペーシア」や、ソリオ、スイフト、ワゴンR、アルトなどが台数を落とした。輸出も同6.4%減の1万9432台と2カ月連続のマイナスだった。
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