次に重要なのが、その力が“いつ、どれくらいの速さで、何回かかるのか”という「力の時間的な変化」の整理です。同じ大きさの力でも、時間的なかかり方が異なるだけで、壊れ方は大きく変わります。
重さや締結力など、常時かかっている荷重です。材料力学で最初に学ぶ応力やひずみの計算は、基本的に静的荷重を前提としています。設計者がまず理解すべき「基準となる力の状態」です。
時間とともに大きさや向きが変わる力です。動いている部品や回転体、加速/減速がある機構では必ず発生します。動的荷重には、次に示す「繰り返し荷重」や「衝撃荷重」が含まれます。
小さな力であっても、何度も繰り返されることで材料が壊れることがあります。破壊が起きたときの応力は、材料強度よりはるかに小さい場合もあります。このような現象を「疲労」といいます。
繰り返し荷重を想定する場合は、その回数が「何回起きるか」を設計条件に含める必要があります。力の大きさだけを見ているだけでは、疲労破壊は防げません。強度設計では、力の大きさと同時に「どれくらいの回数、どのように繰り返されるか」を考える必要があります。
さらに重要なのは、「繰り返される力がどの方向に作用するか」です。繰り返し荷重は、その作用の仕方によって「片振り荷重」と「両振り荷重」に分けられます。
片振り荷重とは、力が一方向にのみ作用し、ゼロ付近まで戻って再び同じ方向にかかることを繰り返す状態です。
イメージとしては、
という繰り返しになります。
片振り荷重の特徴は、
という点にあります。
両振り荷重とは、力の向きが正負に入れ替わりながら繰り返される状態です。
イメージとしては、
といった往復運動です。
両振り荷重の特徴は、
という点です。
一般的に、両振り荷重は片振り荷重よりも疲労に弱いといえます。応力がゼロをまたいで反転する両振りでは、材料内部の損傷が回復する余地がなく、疲労が急速に進行するためです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
メカ設計の記事ランキング