ソフトウェアデファインドはオートメーションに何をもたらすのか製造業ソフトウェアデファインドの潮流(1)(2/3 ページ)

» 2026年01月07日 06時00分 公開

ソフトウェアデファインドがモノづくりに必要な背景

 工場オートメーションは、ドイツのIndustry4.0(第四次産業革命)の中核コンセプトである「スマートファクトリー」の発表以降、IoT(モノのインターネット)技術や機械学習、AIの進展と相まって急速に大規模化、高度化してきた。自動化、知能化、効率化に効果を出す一方、さらなる高度化に向けては限界が見え始めている。その理由を考えてみる。

図2 ソフトウェアデファインドオートメーションが必要とされる背景 図2 ソフトウェアデファインドオートメーションが必要とされる背景[クリックで拡大]

ハードウェア依存の制御システム構築

 従来の製造業におけるOT(制御技術)システムは、制御対象の設備、機器が出発点である。その信頼性や可用性、リアルタイム応答性、運用の継続性、ダウンタイムの最小化、そして物理的システムの最適化を最優先に設計されてきた。

 PLC(プログラマブルロジックコントローラー)や専用制御装置を中心としたシステムは、機器のライフサイクルに合わせて10〜20年単位でアップグレードや更新をする長期運用が前提であり、現場の制御プログラムはハードウェアと密接に1対1でひも付けられている。

 そのため、設備変更や生産ラインの再構成の際には専門的な知識やスキルが必要となるとともに、工場やライン、機器ごとに異なる設定を現場でメンテナンスするなど、機器ごとの専門体制を維持する必要がある。

OTシステムの複雑化

 近年は、現場機器の制御のみならず、稼働データ分析や最適化、画像解析技術を用いた異常検知や機械学習による予知保全、機器間の協調制御、複雑な自律制御や適応制御など、OTシステムの高度化が従来にないスピードで進んでいる。

 加えて、設備の状態監視や生産管理、品質管理、設計開発へのフィードバックなど、ビジネス層やオペレーション層での意思決定支援のためのデータ提供ニーズも拡大している。

 結果として、機器単位の制御システムでもビジョンなど外部システムとの連携、高度制御のための機械学習や外部ロジック連携、さらに機器システム間での統合制御や、IoT連携による上位システムへのデータ出力など、システム構成、データ連携が複雑化の一途をたどっている。

 これに対して、従来のハードウェアPLCでもプログラミングモジュールや通信モジュールを順次拡張する形で対応してきた。また、産業用PC(IPC)の性能、信頼性向上に伴って適用範囲が広がる中、ソフトウェアPLC化も進み、制御プログラミング環境の効率化や複数モジュールのハードウェア集約も進んできている。

 しかしながら、設備や制御機器とのインタフェースなど、ハードウェア依存でプログラムや設定をする必要があり、ハードウェアやベンダーの仕様に依存する構造は解決されていない。

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