　MECHATROLINK協会は「IIFES 2025」（2025年11月19～21日、東京ビッグサイト）において、同協会が普及を推進する産業用ネットワークのMECHATROLINK-4やセンサーネットワークのΣ-LINK IIを活用したデモンストレーションなどを通して、高精度なモーション制御と同期性の高さを訴求した。

活線挿抜で生産ラインの柔軟性を実現

　活線挿抜をテーマにしたデモでは、ボールを搬送する固定されたメインユニットと、可動式のオプションユニットが登場。各ユニットは別々のコントローラーで制御しており、オプションユニットが近づくとフエニックス・コンタクトのNearFiカプラを介して非接触で制御データを伝送し、衝突しないように制御しながらオプションユニットがサポートしてボールの搬送効率を高めるという仕組みになっている。また、オプションユニットはMECHATROLINK-4のIP通信機能により、遠隔で状態監視と制御を行っている。

「繁忙期で生産設備を増やさないといけなかったり、加工方法を変えるために設備を入れ替えたりしないといけない時に、活線挿抜に対応しているMECHATROLINKなら容易に設備を追加したり、切り離したりできる点をアピールしている」（MECHATROLINK協会の説明員）

会場での活線挿抜をテーマにしたデモンストレーション［クリックで再生］

　音板を使ったデモでは、サーボモーターで音板を打鍵し、圧力センサーで音板の振動を捉えるとともに、振動する音板にボールねじを押し付けたサーボモーターから外乱トルクのデータを取得。Σ-LINK IIを使うことで時系列の合ったモーションデータ、センサーデータを取得している他、MECHATROLINK-4によってデモ機にある4つのユニットおよびユニット内の同期制御を実現している。

「MECHATROLINK-4とΣ-LINK IIを使うことで、製造現場の装置内のモーターやセンサーのデータが同期できる点を訴求している」（同説明員）

　デモ機では、リニアモーターで音板を押さえる位置を移動させることで音を変化させており、音の変化を用いて「かえるの合唱」などの童謡を奏でることにも成功していた。

会場での音板を使ったデモンストレーション［クリックで拡大］

　その他、MECHATROLINK-4やΣ-LINK II対応のコントローラー、ソフトモーションコントローラー、サーボドライブ、I/O機器などさまざまなメーカーの機器をカスケード接続やスター接続などで紹介。IP通信を使ったHMI（ヒューマンマシンインタフェース）やPCへの状態表示を通して、メンテナンス性の高さも訴えた。