しゃべり描き翻訳は、画面の右側に会話の内容をチャット形式で表示する「トランスクリプト機能」を実装しており、ボタンで日本語や他の言語を選択してチャット欄に表示させることができるので、外国籍従業員とのスムーズな会話を可能にしている。また、同製品には自分が発言した言葉が正しく相手に伝わっているかを確認できる「折り返し翻訳機能」もあり、細かい部分の情報伝達のミスを防ぐことができる。現場ごとに存在する専門用語や会社独自の言い回しについても、しゃべり描き翻訳に搭載している「辞書機能」を活用して単語を登録することで、各作業環境に適合した翻訳が実現できる。
しゃべり描き翻訳はこれらの機能を組み合わせることで、より正確で分かりやすい翻訳を実現する。加えて、同製品はWebアプリケーションのため、端末を問わずあらゆるシーンで活用できるのも大きな利点である。例えばタブレット端末でしゃべり描き翻訳を使用することで、現場の機械の前で実際に写真を撮って、その場で外国籍従業員に作業教育を行うことが可能である。
三菱電機がしゃべり描き翻訳導入後の効果を検証したところ、外国籍従業員へのアンケートでは全員が導入前よりも説明や指導が分かりやすくなったと回答した。また、現場の班長に話しかけるハードルが下がったという回答も約70%に上った。受け入れ教育などの作業時間については約42%削減できたという。
今後三菱電機は、製造業を中心とする翻訳サイネージを導入済みの企業にしゃべり描き翻訳を提案していく。その後、製造業の生産現場だけではなく、建設や教育、介護、医療など幅広い分野に同製品の展開を進める方針だ。松原氏は「現在、オンライン会議でも使える新たなアプリケーションの開発も同時に進めている。しゃべり描き翻訳の提供を通じて、生産現場における円滑なコミュニケーションの実現に貢献し、従業員が働きやすく、安全で品質を高めていける職場づくりを目指していく」と今後の抱負を述べた。
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