16期増収増益の秘訣はSCMにあり モノタロウのサプライチェーン戦略とは何かサプライチェーン改革(2/3 ページ)

» 2025年10月10日 07時00分 公開
[長町基MONOist]

モノタロウのサプライチェーン戦略

 一方、これらを支えるモノタロウのサプライチェーン・マネジメント部門は「より早く、正しく、安く、ものを動かす」をミッションとして掲げている。また、顧客および社内の各部所が必要とするソリューションを創出し、カスタマーエクスペリエンスの向上、売上拡大への貢献、低コスト構造を実現することを目指している。

 サプライチェーン・マネジメント部門の中には、在庫戦略、SCM(サプライチェーンマネジメント)企画、発注マネジメント、輸入/入荷の4つのグループがあり、これらグループが連携することで顧客満足度の向上や売り上げ拡大への貢献、低コスト構造の実現を目指している。そして、サプライチェーンの高度化に向けては「自社倉庫への在庫化」「自社倉庫を超えたサプライチェーン全体の高度化」の2本を柱として戦略を進めている。

サプライチェーン・マネジメント部門 4つのグループの役割について サプライチェーン・マネジメント部門 4つのグループの役割について[クリックして拡大]出所:モノタロウ

 自社倉庫の在庫化を行うメリットについては、「在庫した商品を同社の物流センターから当日中に出荷でき、最短で翌日に届けることが可能であるところにある」(花原氏)と語る。これにより、顧客が翌日の仕事に間に合うこととなり、利便性の向上と時間資源創出に貢献できる。

自社倉庫在庫化のメリット 自社倉庫在庫化のメリット[クリックして拡大]出所:モノタロウ

 取扱商品が在庫化の対象になっていない場合は、納期が長く遅くなるが在庫化によって当日出荷ができ、結果として売り上げの拡大につながる。モノタロウは現在、自社物流センターを茨城県に2カ所、兵庫県に1カ所の計3カ所を保有し、2028年の稼働を目指して水戸市に新たな物流センターを建設中である。これにより、在庫化の対象を増やして利便性の向上をさらに加速させる。現在も既存物流センターの拡張などで在庫数は増やしており、2025年3月時点では約64万4千点の商品を在庫化した。

モノタロウの物流センター一覧 モノタロウの物流センター一覧[クリックして拡大]出所:モノタロウ
モノタロウの在庫/取扱点数を表したグラフ モノタロウの在庫/取扱点数を表したグラフ[クリックして拡大]出所:モノタロウ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
Special SitePR
あなたにおすすめの記事PR