強制対流熱伝達とは、風の中に物体を置いたときに生じる熱伝達のことです。例えば、ジョッキに入れたビールが扇風機の風に当たると、すぐにぬるくなる現象が該当します。筆者は、エアコンの風も避けてビールの配置を考えます。
風の中に置かれた円柱の熱伝達のヌセルト数を求める式はいくつか存在しますが、今回はZukauskasの式を用います(参考文献[1])。式9に示します。
ヌセルト数に、添え字「m」が付いています。円柱の風が当たる面と後方の面とでは熱伝達量が異なるため、ヌセルト数も異なりますが、式9は円柱全体の平均という意味です。表3に、強制対流熱伝達における熱伝達率の計算例を示します。
それでは、表3の条件に基づいて解析を行ってみましょう。図8にセル分割図を示します。円柱周りのセル厚さは、かなり薄くしています。乱流モデルはSSTです。
図9に、境界条件を示します。表1における伝熱界面温度は63.2[℃]ですが、切りのよい値として65[℃](338[K])にしました。
Y+をチェックしておきます。その結果を図10に示します。壁面第1層のセルをかなり薄くしたため、Y+の値は小さくなりました。Y+に対する要求値は2〜3[-]以下であるため、これでよしとします。
図11に、速度ベクトル図を示します。やはり、解像できる渦は1個か2個です。
図12に、壁面の熱流束分布を示します。伝熱界面における平均値は858.4[W/m2]でした。
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