月販300台でも2ドアクーペを作る、ホンダが新型「プレリュード」発売電動化(1/2 ページ)

新型プレリュードは2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」と、仮想の8段変速を行う「S+ Shift」を搭載したハイブリッド車(HEV)だ。ホンダは2030年に向けた電動化戦略の中で2027年からは次世代HEVを展開し、HEV戦略を強化する。新型プレリュードは、ホンダのHEVブランドを牽引する“前奏曲(プレリュード)”としての役割も背負っている。

» 2025年09月05日 16時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 ホンダは2025年9月4日、新型「プレリュード」を同月5日に発売すると発表した。

 新型プレリュードは2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」と、仮想の8段変速を行う「S+ Shift」を搭載したハイブリッド車(HEV)だ。ホンダは2030年に向けた電動化戦略の中で、HEVの需要拡大が継続すると見込んでHEVの販売目標を220万台に引き上げた。2027年からは次世代HEVを展開し、HEV戦略を強化する。新型プレリュードは、ホンダのHEVブランドを牽引する“前奏曲(プレリュード)”としての役割も背負っている。

新型プレリュード[クリックで拡大]

 車名としては2001年に製造を終了して以来24年ぶりの復活となるが、車名は後付けだ。新型プレリュードのチーフエンジニアを務めたホンダ 四輪開発本部 完成車開発統括部 PRELUDE開発責任者の山上智行氏は「“プレリュード復活プロジェクト”だとしたらこういうクルマはできなかっただろう。対外的に発表することなく企画倒れで終わったかもしれない。昔のいいところをしっかり学んで、受け継ぐところは受け継ぎ、新しいところに合わせて変えるところは変えていく。新しいものを学ぶと古いものの良さが見えてくる。そんな風に古さと新しさを行ったり来たりして、かつてのプレリュードも見つつ開発の中に織り込んだ」とコメントした。

 クルマとしてのキャラクターは「シビックタイプR」とも重なるが、シビックタイプRはガソリンエンジン車として性能を追求したのに対し、新型プレリュードはシビックタイプRの技術により、「シビックe:HEV」よりも高いダイナミクス性能をHEVで実現している。

レンタカーで借りるチャンスも

 新型プレリュードのボディーカラーは、強い陰影で造形を際立たせる新色「ムーンリットホワイト・パール」を含む4色を用意した。オンライン販売の「Honda ON」では数量限定でムーンリットホワイト・パールとブラックの2トーンカラーも販売する。インテリアはホワイト×ブルー、ブラック×ブルーの2種類だ。

 一部の販売店では新型プレリュードをレンタカーとして貸し出す。新型車のレンタカーを配備するのはホンダとしては初めての取り組みだ。より多くの人に触れてもらうため、タッチポイントを広く用意する。

新型プレリュードのインテリア[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 新型プレリュードはホンダ 埼玉製作所 寄居工場で生産し、海外向けも日本から輸出する。日本での月間販売計画は300台だ。2025年末からは北米で、2026年前半には欧州でも販売する。グローバル全体での販売台数については回答しなかった。販売が決定しているのは日本と北米、欧州のみで、それ以外の地域は現在検討中だ。

 小規模な月販目標について、ホンダ 取締役 執行役専務 四輪事業本部長の井上勝史氏は「市場のボリュームだけで言えば軽自動車やSUV、ミニバンの方が量産効果は得られる。新型プレリュードはシビック タイプRとの共用を増やすことである程度のコスト低減を図った。ホンダはもともと、スポーティーな走りをポリシーにしてきた。量が少ないからとやらないのではなくファンに応えることがわれわれの義務だ」とコメントした。

新型プレリュードのインテリア[クリックで拡大] 出所:ホンダ
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