イオン、明星食品、日本パレットレンタルが協力し、即席めんの物流改革に乗り出した。レンタルパレットを活用した輸送に変えたことで、ドライバーの作業時間を約70%削減した。
日本パレットレンタル(JPR)は2025年9月2日、イオングループのプライベートブランド「トップバリュ」の即席めんの輸送に、JPRレンタルパレットを導入したと発表した。イオントップバリュと明星食品が導入し、2025年5月からパレット輸送を開始したが、ドライバーの荷役作業時間を約70%削減するなどの効果が確認できた。
「JPRレンタルパレットサービス」とは、サイズなどが標準規格化されたレンタルパレットを複数の企業が共有することで、荷物の積み込みから輸送などの物流業務を一貫してパレットで行う「一貫パレチゼーション」を支援するサービスだ。2024年度にJPRがサービス利用企業に供給したレンタルパレットは5309万枚で、過去最高枚数となった。
今回の取り組みでは、まずJPRが明星食品にレンタルパレットを供給する。明星食品では、レンタルパレットを製造ラインに投入し、トップバリュの即席めんをパレットに積載する。その後、明星食品の拠点へ輸送し保管し、レンタルパレットのままイオングループの物流センターに納品する。使用後は、同センター内で他メーカーが使用した分のパレットも合わせて、JPRが回収する。
即席めん業界では製品が軽量であることから、手作業で1つ1つの荷物を積み込んで輸送する「バラ輸送」が一般的であった。対して、パレットに荷物を積み付けてフォークリフトなどで積み込む輸送方法は「パレット輸送」と呼ばれている。
日清食品ホールディングス傘下で即席めんメーカーの明星食品は、「物流2024年問題」などで深刻化するトラックドライバー不足への対策として、バラ輸送からパレット輸送の導入を検討していた。これまでに、輸送の一部で自社パレットによるパレット輸送を実施していたが、パレットの管理や届け先からの回収など、運用面で課題を感じていた。
イオングループでは既に、トップバリュを含む多様な製品でJPRレンタルパレットによる納品受け入れを行っていたことから、両社はJPRレンタルパレットへの切り替えを開始した。
導入後、約3カ月間の運用を通じてトラックドライバーが納品する際の荷役作業時間(トラック1台当たり)は、導入前のバラ積みと比較して約70%削減した。また、自社パレットを用いる場合と比較して、パレットの回収/管理の手間が抑制されたほか、イオングループの物流センターでは入庫作業効率の改善や、納品車両の待機発生が低減するなどの効果も確認できた。
今後もイオントップバリュと明星食品は、JPRレンタルパレットサービスを利用した一貫パレチゼーションにより、物流の持続可能性向上に取り組むとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.