長い通路を抜けると、そこはFCNTの地下実験室だったイノベーションのレシピ(3/5 ページ)

» 2025年08月29日 08時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

 Vビット(鋭鉄)落下試験では、175gのおもりを60cmの高さから落とし、強度が弱いとされる筐体のフレーム部分とディスプレイの境目(ディスプレイの端)をめがけて、先端のとがった金属(鋭鉄)を打ち込む。筐体に傷がついたとしても、タッチパネル操作や表示に問題がないことを確認する。

Vビット(鋭鉄)落下試験の装置Vビット(鋭鉄)落下試験に用いられる鋭鉄 (左)Vビット落下試験の装置/(右)試験に用いられる鋭鉄[クリックで拡大]
動画 Vビット落下試験のデモの様子(撮影:MONOist編集部)
フレーム部分に小さな傷が入ったものの、ディスプレイ部分は割れることなく無事だった フレーム部分に小さな傷が入ったものの、ディスプレイ部分は割れることなく無事だった[クリックで拡大]

 角曲げ試験は、スマートフォンの四隅のうち、1カ所にのみ負荷をかけるものだ。

 繰り返し落下試験は、10cmの高さから計1万2000回繰り返してスマートフォンを落下させる過酷な試験で、6面全てに対して行われる。これは、机にポンと投げるように置くような日常的な“雑な使用”を想定している。

繰り返し落下試験の装置 繰り返し落下試験の装置[クリックで拡大]

 ねじり試験は、スマートフォンの上下を固定してひねるように負荷をかける試験で、点圧迫試験ではディスプレイの中央部に丸い金属棒を約25kgの力で押し当て、耐久性を評価する。

 ここで紹介したものはほんの一部であり、実際の試験項目は50〜70種類にも及ぶという。また、評価用の試験装置は30種類以上あるとのことだ。

その他の試験装置(1)その他の試験装置(2)その他の試験装置(3) その他にもたくさんの試験装置が並んでいた[クリックで拡大]

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