デジタル技術の導入における効果として期待されているのは「作業負担の軽減や作業効率の改善」「品質の向上」「生産体制の安定(設備や装置の安定稼働など)」など課題となっている業務の改善に活用する傾向が見える。
また、デジタル技術を導入した企業の内、「効果を感じている」と「やや効果を感じている」を合計すると87.6%となり、多くの企業が成果を得られている状況がうかがえる。DXでは導入しても期待する効果が得られないとした声が多い時期もあったが、さまざまなノウハウが蓄積されたことで、より導入効果が得られやすくなっていると考えられる。
デジタル技術を導入するのに先導的な役割を果たした人材は「工場長、部門のリーダー」が50.5%で最も多い回答となった。次いで、「経営トップ」が47.7%、「デジタル技術に精通した社員」が29.7%となっている。
従業員規模別に見ると、50人以下の企業では「経営トップ」が先導する場合が58.6%と高い一方で、301人以上の企業では31.3%と非常に低い結果となっている。逆に、301人以上の企業では「デジタル技術に精通した社員」が先導する場合が56.3%と非常に高い。一方で、50人以下の企業は17.6%しかいない。先導する人材の違いは明らかだといえる。これを見ると、中小企業のDXはトップダウンで、大企業のDXはボトムアップで進みやすいということがいえるかもしれない。
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