完全自動運転車を使う可能性について、好意的か懐疑的かを尋ねると、中国が最も好意的だった。日本は好意的な層と懐疑的な層がほぼ拮抗しているが、欧米に比べて好意的な傾向が示された。欧米は完全自動運転に対して比較的ネガティブだった。自動運転技術に対する懸念を尋ねると、事故の回避などの技術的な能力、ドライバーと歩行者の双方が不注意になるなどのヒューマンエラー、価格、事故時の賠償責任、技術的な成熟度などが懸念点として挙がった。
次に所持するクルマで選択するパワートレインについて尋ねると、日本ではエンジン車ユーザーの半数以上がエンジン車を継続して選ぶ結果となったが、HEVを選ぶ傾向も高まった。EVユーザーは次もEVを選ぶ比率が最も高い。HEVユーザーもHEVに乗り続ける傾向が強い。PHEV(プラグインハイブリッド車)やEVを選ぶユーザーは増加傾向にあるが、全体の2割程度で他の地域と比べて低い傾向が示された。エンジン車を選ぶユーザーは4割以上で多いものの、ほぼ横ばいだ。
日本以外でも、EVの購入意欲は高まっているという。EVに買い換える可能性が最も高いとするユーザーの比率を過去の調査と比較したところ、スウェーデン以外の国で増加していた。欧州や中国、韓国ではEVに買い替える意向が高まっている。スウェーデンなどでは、EVを使っていたユーザーがEVへの不安からPHEVに乗り換えるパターンも一部あるという。
日本のユーザーにEVを購入する決め手や購入をためらう理由について尋ねた。決め手になったのは補助金などのインセンティブや総所有コスト、気候変動対策で、購入をためらう理由は高価であることやバッテリーの寿命、充電時間の長さだった。
EVの購入を検討してもいいと思う走行可能距離の実用値については、日本と中国の80%が500kmと回答し、要求水準が比較的低かった。欧州や米国の80%は600〜700kmと回答している。走行可能距離が短いのでEVを購入しないという傾向は日本国内では弱まってきている。
EVのために今所持しているブランド以外を選ぶ可能性があるか尋ねると、日本では25%がブランドを乗り換えると回答した。中東や東南アジア、中国、インドなどはブランドを乗り換えるという回答が過半数に達した。違うブランドを選ぶ理由としては、複数回答の結果、コストパフォーマンスが日本で最多だった。
中国自動車メーカーのEVの購入を検討するか尋ねると、「検討する」という回答は中国で90%、東南アジアで73%だったが、欧州や米国、韓国と日本では低くなり消極的であることが分かった。ただ、欧州に住む欧州ブランドのユーザーは中国ブランドへの関心が低いが、欧州在住で日本車や韓国車に乗るユーザーは中国ブランドに乗り換えるハードルが低い傾向も調査で判明した。保守的なユーザーと先進性を好むユーザーの両方に対応する必要があり、EVシフトの複雑性が増している。中国の自動車メーカーのEV購入に興味を持つ理由としては、コストパフォーマンスやバッテリー技術などが挙げられた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.