図3を使ってGM管の動作原理を説明します。
Cの形状で描かれている部分がGM管です。アノードとカソードがつながっています。カソード側はグランド(GND)に落とします。アノードには抵抗R1を介して高電圧(HV)を印加します。抵抗値は数M〜数十MΩなので、電圧は高いのですが流れる電流はわずかです。
今回紹介するGM管の場合、印加する電圧は400V前後の直流です。GM管の中に放射線が飛び込むと管内に封入されたガスが電離しアノードとカソード間が導通します。放射線が入射するとアノードの電圧が一瞬下がるので、それがコンデンサーを介してOUT端子に出力信号として伝わります。このままでもクリスタルイヤフォンあるいはピエゾ系などの高インピーダンスのレシーバーをつなげば「ポツ、ポツ」という検知音を確認できます。
また、GM管の出力信号をマイコンなどのデジタル回路に入力するためには何らかの波形整形回路が必要になります。
図4は、GM管による放射線検出からインターネット上でつぶやくまでのプロセスをモジュールに分けて構成したブロック図です。
GM管を動作させるためには直流の高電圧が必要です。昇圧回路によって、10V前後のバッテリーなどからGM管が必要な数百Vの直流高電圧を発生させます。(1)は直流の高電圧です。
直流の高電圧をかけた状態のGM管に放射線が照射されるとパルスを発生します。(2)はGM管が出力したパルスです。
このブロックでは、GM管が出力したパルスを後続のブロックが処理しやすいように波形を整形します。後につなげる機器は主にデジタル回路になるので、それらに適した波形にします。(3)は多くの場合デジタル波形となります。
計数装置は届いたパルスを所定の方法でカウントし、前回記事でも紹介したjson形式のフォーマットにします。ということで、(4)はjson形式のデータになります。
受け取ったjson形式のデータを、送信先とやり取りしながら適切なプロトコルで通信経路に送り出します。イーサネットだったりWi-Fiだったりしますがimaocandeの仕事の範囲はここまでです。(5)はインターネットまでの通信経路ということになります。
ここはSNSだったりサーバだったりクラウドだったりします。imaocandeのデータを受け取ってインターネット上で情報を共有するハブの役割を果たします。
今回はGM管について深掘りしました。GM管が放射線を検出してからインターネットにつぶやくまでの各モジュールを作っていく予定です。今後進捗がありましたら本連載で報告できればと思います。
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