GAIA-Xが目指す自律分散型データ共有、“灯台”プロジェクトは協調から競争領域へ加速するデータ共有圏と日本へのインパクト(4)(4/5 ページ)

» 2024年11月19日 07時00分 公開

(6)【越境連携】Boot-X

 欧州と中国など国を超えたデータ交換に主眼を置いたデータスペース。Huawei EDS(Exchange Data Space)の一部。Boot XコネクターはEclipseデータスペースコネクター(EDCコネクター)と互換性を有する。現状は自動車をはじめとしたサプライチェーンにおけるデータ交換に主眼を置く。

(7)【スマートシティー/都市】ELINOR-X

 スイス発のスマートシティー/都市のデータ連携プロジェクト。公共部門、企業、市民からのデータを安全かつ構造的に交換し、効果的な利用と可視化を可能にする。ELINOR-Xは、ローカルで接続可能な都市データコラボレーションシステムを構築。以下のようなユースケースがある。

  • 共同都市データセット
  • 共同都市データマップ
  • 協調型都市デジタルツイン

(8)【データトラスト】EuroDaT

 データ連携におけるデータトラストの確保のための法的/技術的枠組みの確立。以下のようなユースケースがある。

  • 詐欺および金融犯罪の捜査における信頼性担保
  • 金融機関におけるESG投資の判断における信頼性担保
  • 個人の財務情報/データの信頼性担保
  • 学術研究用のミクロデータセットの信頼性担保

(9)【エネルギー】Energy data-X

 ドイツのエネルギー業界向けのデータ連携プロジェクト。再エネ発電システム、エネルギー貯蔵システム、EV(電気自動車)、電力消費者などにおけるデータ連携を実現する。シュナイダー、E.ON、マイクロソフト、フラウンフォーファー研究所などが参画。ドイツ連邦経済・気候保護省から資金提供を受ける。

図9 図9 Energy Data-Xにおける主な参画組織[クリックで拡大] 出所:Energy data-XのWebサイト

(10)【エネルギー】Omega-X

大学/研究機関、都市/エネルギー企業などが参画するプロジェクト。欧州10都市においてパイロットプロジェクトが展開されている。エネルギーの需要/供給、発電施設などのデータの共有により、再エネ活用/水素活用の拡大、エネルギー効率の向上、エネルギートレーサビリティーの担保、EV利用の最適化などを行う。

図10 図10 Omega-Xにおける主な参画組織[クリックで拡大] 出所:Omega-XのWebサイト
図11 図11 Omega-Xのパイロットプロジェクト[クリックで拡大] 出所:Omega-XのWebサイト

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