三菱電機はヴィスコ・テクノロジーズの普通株式および新株予約権について株式公開買い付け(TOB)を行い、完全子会社化すると発表した。
三菱電機は2024年8月8日、ヴィスコ・テクノロジーズの普通株式および新株予約権について株式公開買い付け(TOB)を行い、完全子会社化すると発表した。ヴィスコ・テクノロジーズも同日付で賛同の意見表明を公開し、株主と新株予約権の所有者にTOBへの応募を推奨している。
ヴィスコ・テクノロジーズは2003年に設立された企業で、独自の外観検査技術などに強みを持ち、画像処理技術の開発や製造現場へのグローバルなサービス展開を行ってきた。2024年3月期の連結業績は売上高が32億300万円、営業利益が9100万円の赤字となっている。東京証券取引所のスタンダード市場に上場しているが、TOBにより上場廃止となる見込み。
三菱電機は以前から共同開発などを通じて、ヴィスコ・テクノロジーズとは事業上の協業関係にあり、同社を「高度な技術力、ノウハウや豊富な実績を有している」(三菱電機のニュースリリースより)と評価している。また、外観検査や画像処理検査などの事業を共同展開することで、「今後ますます需要の増加が期待される画像処理検査市場においてさらなる競争力の強化を図れる」(同)と考え、今回の完全子会社化に向けた検討を開始したという。
また、三菱電機によるとヴィスコ・テクノロジーズの顧客は、コネクター部品や半導体、セラミック部品、MEMSなどの画像処理検査を行うメーカーが多く、それ以外の領域での新規顧客開拓が課題となっていた。完全子会社化によりヴィスコ・テクノロジーズは、「国内産業用機器市場でトップシェア」(同)を持つ三菱電機のグローバルな販売拠点を活用して、こうした課題を解決できる可能性がある。
この他、三菱電機の展開するFA機器とヴィスコ・テクノロジーズのマシンビジョン技術の組み合わせによる高付加価値商品の開発や、技術開発のための人材確保といった効果も期待できるとしている。
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