生成AI混合技術は、ユーザーのクエリなどに応じて、AIモデルを選択、自動生成するという技術だ。生成可能なAIモデルには、予測や最適化のモデルや、契約書など特定の書式に対応した分析モデルなどがある。生成したモデルの正確性を検証する仕組みもあるという。一度作成したモデルは、別のクエリの要求に応じて再利用できるよう保管する。
例えば、設備機器のインシデント対応者について最適な配置などを尋ねると、設備機器から取得した稼働情報などを基に予測モデルや最適化モデルをAutoMLの技術で自動生成し、対応遅延の少ないサポート体制の構築を支援できる。情報源となるデータベースや連携サービスなどもユーザーが選択することなく、システム側で自動的に選定できるようになると予想される。
企業が生成AIに対して持つ、さまざまな要望にきめ細かく対応できることに重点を置いて開発した。契約書などドキュメント全般や設備機器/ネットワークのログの分析、ソフトウェアエンジニアリングの領域でのニーズに柔軟に応えられると見込む。将来的には「映像系データの分析にも対応していきたい」と園田氏は説明する。
生成AI監査技術は、個別の法令や社内規則などに対応するナレッジグラフを用いることで、生成AIのシステムが入力情報が規則から逸脱していないかをLLMで判定する。さらに、生成AIの出力と判断根拠を照らし合わせることで、回答に誤りがないかを確認するLLMも組み合わせる。
これによって、生成AI活用で懸念される、判断根拠のブラックボックス化やハルシネーションによる誤回答のリスクを軽減する効果が期待される。例えば、道路交通法をナレッジグラフ化しておき、歩行者や自転車が映った画像を生成AIに入力した場合を想定する。画像診断用のLLMが画像内の法令違反がないかを判定した後に、その根拠について画像内で参照された領域や該当する法令の箇所を基に判定の正確性を検証する。
この他、説明会では、高性能かつ省電力性を特徴とする次世代グリーンデータセンター向けプロセッサ「FUJITSU-MONAKA」などについても紹介した。生成AIの研究開発と事業展開の展望について、園田氏は「企業における生成AIの利用を促進する、グローバルトッププレイヤーを目指していきたい」とコメントした。
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