2日目はコンクリートミキサー車とポンプ車が登場した。パーツ間にまたがって開いている穴に鉄筋を通してから(図5)、ポンプ車でコンクリートを流し込んだ。天井についても、型枠を作ってコンクリートを流し込んだ(図6)。
組み上げた時点では、パーツ間に段差が見られた。そこで3日目は段差のある部分にモルタルを塗って、外形を整えた。また、パーツをつり下げるために開けていた穴も、電気配線を通す箇所と換気扇を設置する箇所を除き、全てモルタルでふさいだ(図7)。
ドアについては、セレンディクスは白い滑らかなものを提案していたが、施主である吉本氏の希望によりオーダーメイドの木製のドアが取り付けられた。ドアの取っ手は知り合いのツテで拾っておいてもらった鹿の角だそうだ。
serendix10には3つの正三角形の窓がある。1棟目の窓枠は一般的なアルミサッシだったが、形状が特殊でコストがかかる。今回は、ExtraBoldの大型ペレット式樹脂3Dプリンタ「EXF-12」を使い、耐候性の高いAES樹脂で製作した(図8)。販売モデルに3Dプリンタ製の窓枠を使った例は世界初だという。これらの作業が終わった後で、上棟式を行った(通常の木造住宅では骨組みが出来上がったタイミングで行うことが多い)。
4日目に、表面を白く仕上げて完成(図1の通り)。実は、屋根のパーツも用意していたが(図9)、天井にコンクリートを流しており、さらに重量を増やす必要もないため載せないことにした。なお、天井部分については、モデルハウスや佐久市のものそれぞれで異なっており、試行錯誤中のようだ。以上の施工にかかった時間は25時間43分だった。3Dプリンタによる出力物の総重量は21t(トン)で、出力にかかった時間は延べ40時間だった。
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