日立建機は、欧州の合弁会社で開発した8トンクラスのフル電動油圧ショベル「ZE85」と、九州電力と共同開発した可搬式充電設備を披露した。
日立建機は2024年5月中に、施工現場のゼロエミッション実現に向けた協創のための研究拠点「ZERO EMISSION EV-LAB」を千葉県市川市に開設することを決めている。ZERO EMISSION EV-LABでは、2トン、5トン、8トン、13トンクラスのフル電動油圧ショベルと可搬式充電設備、建設機材を設置する予定であり、その一部を展示したことになる。「電動建機に対する需要は高まっているが、やはり充電については課題が多い。そこで、九州電力と共同開発したのが可搬式充電設備だ。電動建機の導入では、インフラ整備や効率的な運用を含めたソリューションを顧客に提案する必要がある。ZERO EMISSION EV-LABでは、顧客やパートナーと協創を加速していきたい」(日立建機の説明員)。
可搬式充電設備は容量204kWhのリチウムイオン電池を搭載しており、その電力をCCS2による急速充電や建機用のAC400V、一般のEV(電気自動車)向けのAC200Vの普通充電などによってさまざまな対象に充電することができる。BCP(事業継続計画)や電力系統の調整といった用途にも活用できる。
タダノは、「世界初」(同社)のフル電動ラフテレーンクレーン「EVOLT eGR-250N」を展示した。
EVOLT eGR-250Nは、日本国内で最も台数が多く汎用性の高い吊り上げ性能25トンクラスのラフテレーンクレーンをフル電動化した。「これまでクレーン作業は電動化しているものの、エンジンで走行する製品は提供していた。EVOLT eGR-250Nは、クレーン作業と走行の両方を電動化しており、CO2排出がゼロになった」(タダノの説明員)。
EVOLT eGR-250Nのバッテリー容量は226kWhで、クレーン作業だけであれば11時間、走行だけであれば70kmが可能だ。使用の目安としては、クレーン作業約5時間+走行約42kmなどとなっている。充電時間は、CHAdeMOに対応する急速充電で2.5時間、AC200Vの普通充電で8時間。レンタル販売ではあるものの、既に顧客の現場での利用が始まっているという。
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