立命館大学らは、半導体特性を示す新たな液晶材料を創製した。脂溶性アルコキシ鎖を持つ芳香環を2カ所に導入したノルコロール誘導体を合成し、液晶状態の発現と高い電気伝導性を発見した。
立命館大学は2024年5月7日、半導体特性を示す新たな液晶材料を創製したと発表した。北里大学、京都大学、名古屋大学との共同研究による成果だ。
研究では、脂溶性アルコキシ鎖(OCnH2n+1(n=1、4、8、12、16)を持つ芳香環を2カ所に導入したノルコロール誘導体を合成。アルコキシ鎖長がn=12、16のノルコロール誘導体が液晶状態を発現することを発見した。
アルコキシ鎖長がn=12の場合では、ノルコロールが積層したカラムナー構造を形成することがX線構造解析で判明している。研究チームは、分子動力学シミュレーションにより、3分子のノルコロールが3.13オングストローム(0.313nm)の距離で積層した積層3量体の配列構造が液晶状態の発現に関わっていることを解明した。
液晶状態の時間分解マイクロ波分光測定における電気伝導性評価は、従来のノルコロールと比較して電気伝導性が高いことを示唆している。
反芳香族分子のノルコロールに分子設計や集合化によって液晶性を付与する今回の研究は、他の反芳香族π電子系分子への応用が可能だ。今後、反芳香族分子を基盤とした電子、光機能性材料の創製や有機エレクトロニクスなどへの応用が期待される。
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