中村留精密工業は切粉分断機能「トライアングルカット」を新たに開発した。
中村留精密工業は2024年5月13日、新たに切粉分断機能「トライアングルカット」を開発したことを発表した。
切削加工中に生じる切粉は、生産現場にとって避けて通ることができない大きい課題となっている。機械とサーボ技術の進化に伴い、サーボ制御で切削工具を振動させることで切粉を細かく分断する揺動切削機能が実用化され、切粉処理問題はプログラムで解決できるようになった。だが、動作が高速である揺動切削は、切削工具に損傷の危険性がある角スライド機には適用が難しい状況にあった。
トライアングルカットは旋削加工の経路を三角形に動作させることにより、切粉を分断しながら加工する機能(オプション)で、三角形の経路を描くことで刃先が被削材から離れエアカットするため切粉が分断される。これまで揺動切削を使うことができなかった角スライド(滑りスライド)機にも適用することができる。これにより、同社の全ての機種ラインアップで切粉分断機能を搭載することができるようになった。
トライアングルカットを適用したい加工プログラム部分を、G338(開始コード)とG339(終了コード)で挟むことで使用できる。
G338 A__. B__. [C__.] D__. …トライアングルカット ON G01 Z-10. F0.2 X60. X70. Z-15. G339 …トライアングルカット OFF
揺動切削と比較すると面粗さが悪化しにくい傾向があり、通常の旋削と比べ1.2〜2倍のレベルに抑えることができる一方で、加工経路が伸びる分加工時間は2.7〜3倍程度長くなることがあるという。2024年7月1日以降の出荷機に搭載する。
仕上げ加工における比較 | トライアングルカット | 揺動切削 |
---|---|---|
切粉分断性能 | ◎ | ◎ |
加工後面粗さ(Ra) | 1.2〜2倍 | 3〜4倍 |
加工時間 | 2.7〜3倍 | ほぼ同等 |
搭載可能機種 | 全機種 | 18機種※ |
※…リニアガイドのX/Z軸のみ搭載可能 |
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