フォトンカウンティングCTの実用化を目指し、臨床研究を開始：医療機器ニュース

キヤノンメディカルシステムズと広島大学は、次世代の画像診断装置として期待されるフォトンカウンティングCTの早期実用化を目指し、共同で臨床研究を開始した。装置機能の最大化を目指し、基礎から臨床応用まで幅広い研究を進める。

[MONOist]

　キヤノンメディカルシステムズは2024年4月8日、次世代の画像診断装置として期待されるフォトンカウンティングCT（PCCT）の早期実用化を目指し、広島大学と共同で臨床研究を開始したと発表した。

　臨床研究では、世界で3台目という同社の装置を使用。2023年11月に締結した基本合意書に基づき、広島大学大学院医系科学研究科放射線診断学研究室 教授の栗井和夫氏が中心となって実施する。

広島大学の研究者と広島大学病院の外観［クリックで拡大］ 出所：キヤノンメディカルシステムズ

　装置機能の最大化を目指し、基礎から臨床応用まで幅広い研究を進める。具体的には、PCCTで撮影したデータを用いた臨床的有用性の探索、PCCTがもたらすさまざまな診断情報の評価と最適化、撮影プロトコルの検討などを実施予定だ。

　PCCTは、入射X線のエネルギーを識別したデータ収集を可能とする、次世代型のフォトンカウンティング検出器を搭載する。従来のX線CTよりも、診断精度の向上、被ばく線量の低減が期待されている。