上部パーツのデザインユニットについては、クリエイターやサービス事業者が独自の設計で開発することを想定している。Raptorをプラットフォーム型モビリティとして事業展開を広げていくには、ベースユニットとの組み合わせが可能なデザインユニットの仕様や規格を分かりやすく外部に伝えていくことが重要になる。そこで、ベースユニットの市販に向けた開発と並行して、デザインユニットのレファレンスの作成も進めているという。
また、Raptorの事業展開を進めるROIDZ TECHとしても、会見で公開したデザインユニット以外にさまざまな設計案を検討していることを明らかにした。ステアリングハンドルが付いた乗用モビリティのような一般的な設計案だけでなく、一部地域で実用化が始まった自動配送ロボットを思わせる設計案や、四脚ロボットがデザインユニットに変形してベースユニットと合体するというユニークな設計案も示された。
デザインユニットは、自動運転機能などを可能にするセンサーも組み込める。デザインユニットとベースユニットを組み合わせた車両を見ると、前部に大きなスペースがあるが、ここがセンサーの設置位置になることが想定されている。
ROIDZ TECH 代表取締役社長でRDS 代表取締役社長の杉原行里氏は「レーシング向けを中心にモノづくりを積み重ねてきたRDSと、先端ロボッティクス技術で知られるfuRoで、新しいモビリティを作りたいと考え、構想から約3年間を経て今回の発表となった。高齢者を含めて全ての人々が自由に移動や活動を促進するインフラとなるべく開発を進めてきたが、何より未来への希望、ワクワク感、高揚感をRaptorから感じてもらいたい」と語る。
ROIDZ TECH CTOでfuRo 所長の古田貴之氏は「2023年7月の道路交通法改正で電動キックボードの公道走行が可能になったことをきっかけに、自転車や二輪車などの1人乗りモビリティの在り方があらためて問われている。このことは、1人乗りモビリティが新たな発展を始める新たなタイミングであることを意味しており、ROIDZ TECHとして新しい方向性を示すべく、Raptorの開発に至った」と説明する。
また、古田氏は「ベースユニットは耐久性や安全性、操縦時の安定性などを重視して作り込んでおり、高齢者にも安心して乗っていただけるものに仕上がっている。高齢者が外出して社会とつながる手助けとなるデバイスになり得るだろう。その一方で、乗ってワクワクなものであってほしいとも思っている。今回、デザインユニットの設計案に四脚ロボットがあるが、かつての馬のように(四脚ロボットのときは)パートナーであり、(デザインユニットと変形してベースユニットと合体した後は)乗り物でもある存在になり得るのではないか」と述べている。
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