多品種少量生産などの組み立て工程を完全自動化するAIロボットシステム:産業用ロボット
CoLabは、組み立て工程を完全自動化するAIロボットシステム「AI Servo Robot System」を発表した。これまで人の目や手作業でしか対応できなかった工程を完全に自動化し、サプライチェーンの課題解決に貢献する。
CoLab(コラボ)は2024年2月21日、組み立て工程を完全自動化するAI(人工知能)ロボットシステム「AI Servo Robot System」を本格リリースしたと発表した。AI技術によってサイズや部品位置が異なる組み立てに対応可能になり、投資回収が困難だった多品種少量生産を自動化できる。
同システムは、独自の自律型AI、ビジュアルサーボ、センシングサーボで構成されている。そのため、ロボットへの教示やカメラ調整をしなくても、ロボットは高精度かつ繊細に動作する。
ロボットシステム「AI Servo Robot System」を本格リリース[クリックで拡大] 出所:CoLab
AIビジュアルサーボは、視覚情報を基にロボットの誤差を調整し、0.1mm以下の精度でロボット動作を生成する。また、AIセンシングサーボは、力覚情報を基に高精度な組み立て制御が可能で、金属ワーク同士の組み立てやFPC挿入などに対応する。
高精度なロボット動作を生成するAIビジュアルサーボ[クリックで拡大] 出所:CoLab
高精度な組み立て制御が可能なAIセンシングサーボ[クリックで拡大] 出所:CoLab
同システムは、治具やプログラミングを不要とし、標準作業なら2週間でセットアップ可能で、故障で部品を交換した場合も短時間で設備を復旧できる。これまで人の目と手作業でしか対応できなかった組み立て工程を完全に自動化し、サプライチェーンの課題解決に貢献する。
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