さらに、モハン氏は製品開発プロセスの中でAI/MLが活用できる段階として、「概念設計(コンセプトデザイン)」と「検証」のフェーズを紹介。Ansys SimAIの特長に触れるとともに、これらフェーズにおける活用イメージを説明した。
「Ansys SimAIは、形状のパラメータではなく、形状そのものを入力として学習でき、学習データ間で、形状の構造に一貫性がなくてもより広範な設計の探索が容易に行える。さらに、以前に生成されたAnsysまたはAnsys以外のシミュレーション結果を利用して学習させることも可能だ。そして、流体、熱、構造、電磁界、光学といったあらゆる解析に適用でき、航空宇宙や自動車、半導体などさまざまな業界での利用が見込める」(モハン氏)。また、AI/MLに関する専門知識がなくても直感的で使いやすいインタフェースを採用している点もAnsys SimAIの特長だとする。
概念設計の段階で、Ansys SimAIを活用することで、無数の候補から設計案を絞り込む作業を効率化でき、より多くの設計バリエーションを検討できるようになる。実際にRenault Group(ルノーグループ)ではAnsys SimAIを導入しており、エンジニアリングワークフローの改革に役立てているという。
自動車開発の概念設計フェーズにおける、Ansys SimAIの活用イメージとして、空力性能のシミュレーションにおいて30秒以内に精度99%の結果を予測できた事例や、バッテリーの熱管理の設計において短時間のうちに複数の設計案を検討できた事例、電動パワートレインのシミュレーションにおけるモーターのパフォーマンス予測に活用した事例などを紹介した。また、検証フェーズでの活用イメージとして、ディーゼルエンジン内の汚染物質の検証においてモデル予測を改善し、テストの効率化、大幅な工数削減に寄与できた事例を紹介していた。
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