マイクロ波による無線電力伝送で電力変換効率64.4%と応答時間45.2μsを達成組み込み開発ニュース

信州大学大学院と金沢工業大学の研究グループは、5.8GHz帯のマイクロ波を使用した無線電力伝送の受電回路で、64.4%の電力変換効率と45.2μsの応答時間を達成した。

» 2024年03月06日 14時00分 公開
[MONOist]

 信州大学大学院は2024年2月19日、同大学院と金沢工業大学の研究グループが5.8GHz帯のマイクロ波を使用した無線電力伝送の受電回路で、64.4%の電力変換効率と45.2μsの応答時間を達成したと発表した。

キャプション マイクロ波無線電力伝送の利用イメージ[クリックで拡大] 出所:信州大学大学院

 受電回路はマイクロ波整流器とDC-DCコンバーターで構成するが、マイクロ波無線電力伝送の法整備に対応するには、両方の電力効率を高め、応答時間を100μs以下にする必要がある。同研究では、シリコンICによるDC-DCコンバーターを改良して高い入力電圧に対応する。さらに、Fractional Open Circuit Voltage(FOCV)法を用いて、マイクロ波整流器の開放端電圧を高速に予測する回路を開発した。

 シリコンプロセスでICチップ化した従来のマイクロ波電力受電回路は、入力電力が1mW未満で入力電圧が5V未満のDC-DCコンバーターが中心だった。また、周波数が400M〜900MHz帯と低いものが多いため、アンテナサイズが10cmを超える。5.8GHz帯の周波数ならアンテナサイズが2〜3cmと小さいが、回路サイズが大きくなり集積化が困難だった。

 今回、小型のマイクロ波整流器とDC-DCコンバーターの2つのICチップで構成したことで、高効率かつ低コストな受電回路の実用化が可能になる。また、最高電力変換効率はDC-DCコンバーターが86.4%、マイクロ波整流器が78.5%で、受電回路全体では最大64.4%を達成しており、屋内無人環境下における小型センサーノードへの無線電力伝送用途として期待できる。

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