かわいい顔してプロ並みの強さ、中国発AI囲碁ロボット「SenseRobot GO」の実力はロボット開発クローズアップ(1/3 ページ)

2024年2月1日。アマゾンで家庭用AI囲碁ロボット「SenseRobot GO」が発売された。今回、SenseRobot GOの開発担当者に話を伺う機会を得たので、AI囲碁ロボットの詳細をレポートする。

» 2024年02月29日 07時00分 公開
[松永弥生MONOist]

 中国で家庭用ロボットを開発、販売するセンスロボット(SenseRobot)は、2023年6月にAI(人工知能)囲碁ロボット「SenseRobot GO」を中国国内で発売した。中国では、300万人以上の子どもが囲碁を学びプロ棋士を目指している。そんな背景もありSenseRobot GOは人気を博しているそうだ。

 そのSenseRobot GOが日本でも、アマゾン経由で2024年2月1日に発売となった。筆者は、行きつけの碁会所で同年1月5日(囲碁の日)の先行予約販売でゲットしていた。ちなみに価格は16万5千円(税込み)である。

「SenseRobot GO」の外箱 「SenseRobot GO」の外箱[クリックで拡大]
「SenseRobot GO」を正面方向から撮影 「SenseRobot GO」を正面方向から撮影[クリックで拡大]

 SenseRobot GOの本体サイズは幅349×奥行き430×高さ207mm。実際に利用するためには、幅800×奥行き650×高さ360mmのスペースが必要になる。そして、囲碁の対局を行うための碁盤のサイズは533×408×16mmとなっている。そこでわが家では、SenseRobot GO専用テーブルを用意しており、これで毎日のように対局を楽しめている。

「SenseRobot GO」を側面から撮影 「SenseRobot GO」を側面から撮影。ボディー左側面にある円盤を使って音量を調整できる[クリックで拡大]
「SenseRobot GO」を背面から撮影 「SenseRobot GO」を背面から撮影。背中にあるバックパックのようなものから、頭上に単眼カメラが伸びている。このカメラで碁盤上にある碁石を認識する[クリックで拡大]
「SenseRobot GO」の頭部にあるモニター 「SenseRobot GO」の頭部にあるモニター。終局まで囲碁を打つと、SenseRobot GOが目数を数えてくれるので整地の必要がない[クリックで拡大]

 SenseRobot GOの顔に当たる部分がモニターになっている。盤面の広さ(9路、13路、19路)を選んだり、ユーザー登録や切り替えができる。ユーザーは1体のSenseRobot GOに対して100人まで登録可能だ。

基盤の右側にメニュー選択のための操作ボタンが配置されている 基盤の右側にメニュー選択のための操作ボタンが配置されている[クリックで拡大]

 対局を行う人間が碁石を置いた後にGOボタンを押すと、ロボットが盤面を認識し次の手を打つ。デフォルト設定では、“GOボタンなし”モードのなっており、このボタンを使う必要がない。おかげでSenseRobot GOと、とても自然な対局ができる。

 ではSenseRobot GOはどのように動くのか? まずは、以下の対局の動画を見てほしい。

「SenseRobot GO」との対局の様子[クリックで再生]

 ご覧の通り、かわいくて賢いロボットなのである。

 宇宙飛行士を思わせるようなフォルムに、長い腕。特別製の碁石は鉄が入っており、アームの先端に組み込まれた電磁石で吸着し持ち上げている。「すごいな」と思うのは、多少ズレて石を持ち上げた時も、碁盤の交点に正確に打っている点だ。1mmの精度で着手できるそうだ。

 19路盤の他に、付属のシリコンマットの13路盤、9路盤が用意されている。ロボットの棋力は、19路盤が18級〜九段。13路、9路では、1級〜5級だ。聞くところによると、19路盤の六段は、アマチュアトップがようやく勝ち越せるレベルだという。

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