矢野経済研究所は、ソフトウェア開発ベンダーが手掛ける国内車載ソフトウェア市場の調査結果を発表した。2030年までの車載ソフトウェア市場規模および制御系と車載IT系の構成比を予測している。
矢野経済研究所は2024年1月24日、ソフトウェア開発ベンダーが手掛ける国内車載ソフトウェア市場の調査結果を発表した。2030年までの車載ソフトウェア市場規模および制御系と車載IT系の構成比を予測している。
調査によると、2023年の国内車載ソフトウェア市場は7850億円に、2030年には1兆9130億円に達する見込みだ。
車載ソフトウェア市場は、制御系と車載IT系に大別できる。
ECUユニットから成る制御系は、ADAS(先進運転支援システム)などの高度化を受けて搭載数が増加している。車載IT系はCASE(Connected、Autonomous、Shared&Service、Electric)に向けた開発が進んでおり、クラウドベースの運用でさまざまな車載関連アプリケーションが稼働すると考えられる。
自動車メーカーや部品サプライヤーは、車載ソフトウェアによって機能を更新する自動車「SDV(Software Defined Vehicle)」の開発を踏まえて、特にCASE向け車載ソフトウェアの研究に取り組んでいる。制御系ソフトウェアは個別最適化に特化しているのに対し、車載IT系ソフトウェアは全体最適化とシステム全体のデザインに重点を置いている。
同社は、車載IT系ソフトウェアの研究開発案件を、自動車メーカーや部品サプライヤーがソフトウェア開発ベンダーに委託する傾向が今後増加すると見ている。さらに、2021年推計では制御系70.3%、車載IT系29.7%の構成比が、このような開発案件の成果物が実用化すると考えられる2030年頃には逆転すると見込んでいる。
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