日立製作所が2024年4月1日付で行う役員人事を発表。新たな代表執行役 執行役副社長に阿部淳氏とブリス・コッホ氏が就任する。阿部氏は、日立の産業系事業を傘下に置くコネクティブインダストリーズセクタートップのコネクティブインダストリーズ事業統括本部長となる。
日立製作所(以下、日立)は2024年1月31日、同年4月1日付で行う役員人事を発表した。新たな代表執行役 執行役副社長として、執行役専務 クラウドサービスプラットフォームビジネスユニット(BU) CEOの阿部淳氏と、日立ヨーロッパ社 取締役会長のブリス・コッホ氏が就任する。
阿部氏は執行役副社長への就任と併せて、日立の産業系事業を傘下に置くコネクティブインダストリーズセクターを統括するコネクティブインダストリーズ事業統括本部長と、コネクティブインダストリーズセクター傘下のインダストリアルデジタル事業、水・環境事業、インダストリアルプロダクツ事業、産業機器システム事業、ビルシステム事業、生活・エコシステム事業、計測・分析システム事業、ヘルスケア事業担当の社長補佐に就任する。なお、前任のコネクティブインダストリーズ事業統括本部長である青木優和氏は3月31日付で退任し、4月1日付で日立の嘱託となった上で日立グローバルライフソリューションズの取締役会長に就任する予定だ。
阿部氏は、2021年4月にクラウドサービスプラットフォームBUのCEOに就任する以前、コネクティブインダストリーズセクターの前身であるインダストリーセクターの産業・流通ビジネスユニット CEOを務めるなど、日立社内でITとOT(制御技術)の両面でさまざまな事業を推進してきた経験を有している。1月31日に行われた2023年度(2024年3月期)第3四半期(2023年10〜12月)の決算発表において、日立 執行役副社長 CFOの河村芳彦氏は「私自身が人事の担当というわけではないが、コネクティブインダストリーズセクターのさらなる事業拡大にはITとOTの融合がもう一段必要になる。その両方をよく知る人材として阿部(氏)が新たなトップに最適と判断したのだろう」と述べている。
一方、コッホ氏は、CSO(Chief Strategy Officer) 兼 戦略企画本部長 兼 地域略責任者 兼 CRMO(Chief Risk Management Officer) 兼 投融資審査統括本部長と、経営戦略、地域戦略、投資戦略、リスクマネジメント、輸出管理、コスト構造改革、情報セキュリティ戦略担当の社長補佐に就任し、日立ヨーロッパ社 取締役会長も継続して務める。同氏は2023年6月まで日立Astemo 代表取締役プレジデント&CEOを務めた他、ABBグループなどでの豊富なグローバル事業運営の経験と日立グループにおける事業推進や地域戦略策定の経験を併せ持つことから、CSOとCRMOとして各地域の成長機会を取り込んだ全社の地域戦略やグローバルリスクを捉えた経営戦略を担当する。
阿部氏とコッホ氏に加えて、3月31日付でCFOを退任する河村氏の後継として、加藤知巳氏が新たな代表執行役となるとともに執行役専務 CFO 兼 財務統括本部長 兼 Deputy CRMOに就任する。なお、河村氏は4月1日付で日立の嘱託となる予定だ。
今回の役員人事では、デジタルによる成長の加速とグローバルでの競争力強化を目的とする大規模な変更を行っている。また、Lumada事業を強化するため、GlobalLogic 社長兼CEOのニテッシュ・バンガ氏が執行役常務 デジタルエンジニアリングBU CEOに、GlobalLogic 取締役会長で日立 デジタルシステム&サービス統括本部 エグゼクティブアドバイザーなどを務めるシャシャンク・サマント氏が執行役専務に就任して米州地域戦略担当となったことに加え、Chief Sustainability Officer兼CDEIO(Chief Diversity, Equity & Inclusion Officer)のロレーナ・デッラジョヴァンナ氏が新たにCHRO(Chief Human Resources Officer)を担当するなど外国籍の執行役を強化しており、執行役の22.9%が外国籍となった。
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