アマゾンジャパンは、「Amazon Alexa」を企業や地方自治体が活用して独自サービスを展開できるようにするソリューション「Alexa Smart Properties(ASP)」を日本国内市場向けに提供する。
アマゾンジャパンは2023年12月4日、東京都内で会見を開き、スマートスピーカー「Amazon Echo」をはじめとするEchoデバイスの基盤「Amazon Alexa(以下、Alexa)」を企業や地方自治体が活用して独自サービスを展開できるようにするソリューション「Alexa Smart Properties(以下、ASP)」を日本国内市場向けに提供すると発表した。会見に合わせて、ニチイケアパレス、東急ホテルズ&リゾーツ、インヴァランス、大阪ガス、熊本市の導入事例も発表された。
ASPは、これまでアマゾン(Amazon.com)から一般消費者向け(B2C)で展開されてきたAlexaについて、企業や地方自治体それぞれのビジネスニーズに合わせてカスタマイズしたり、Alexaベースの独自サービスを組み込んだEchoデバイスを集中管理できるようにしたりするソリューションである。既に米国やカナダ、英国、ドイツ、イタリア、フランス、スペインの7カ国で展開されており日本は8番目となる。アマゾン ASP担当ディレクターのブラム・ドゥカブナイ(Bram Duchovnay)氏は「2017年に日本市場でスタートしたAlexaだが、2022年までの3年間で売り上げが3倍になるなど成長著しい。ASPは、既に展開している各国でビジネスROI(投資利益率)を上げており、日本市場におけるAlexaの事業の成長加速が期待できる」と語る。
ASPと一般消費者向けAlexaの違いは「使用するアカウント」「デバイスの設定と管理」「ホーム画面やホームカード」「Alexaスキルの起動」「プライバシーやセキュリティ」の5つに分けられる。一般消費者向けAlexaは、各ユーザーが個人アカウントを使って利用するものであり、ユーザー自身の手でEchoデバイスの設定と管理を行い、プライバシーやセキュリティも自身で管理する必要がある。一方、ASPは、匿名化された法人アカウントを用いて、企業や地方自治体がEchoデバイスの設定と集中管理を行う。ASPを採用した企業や地方自治体のサービスを利用する最終ユーザーは、Alexaの個人アカウントを使う必要がないので、プライバシーやセキュリティの管理を意識する必要はない。
また、一般消費者向けAlexaはホーム画面やホームカードはアマゾンがデザインした中から選ぶことになるが、ASPは独自のサービスに合わせてカスタマイズすることが可能だ。Alexaスキルの起動についても、一般消費者向けAlexaは発話時にスキル名が必要だが、ASPは独自サービスの内容に合わせて発話時にスキル名なしでも起動できるように設定できる。なお、Echoデバイスを起動する際の呼びかけに使うウェイクワードについては、一般消費者向けAlexaと同様に、Alexa、Echo、Amazon、Computerから選ぶ必要がある。
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