「Autodesk AI」が非創造的な作業からの解放やデータ分析、洞察の獲得を促進Autodesk University 2023(2/3 ページ)

» 2023年11月16日 06時30分 公開
[八木沢篤MONOist]

設計だけでなく製造の在り方も再考したEVベンチャー

 ゼネラルセッションでは、産業別クラウドを導入する先進企業の取り組みとともに、AI(Autodesk AI)の活用イメージについて紹介した。本稿では、製造業向けクラウドであるAutodesk Fusionの話題を中心にお届けする。

製造業向けクラウド「Autodesk Fusion」のイメージ図 製造業向けクラウド「Autodesk Fusion」のイメージ図[クリックで拡大]
Autodesk 製品開発&製造ソリューション担当 エグゼクティブバイスプレジデントのジェフ・キンダー氏 Autodesk 製品開発&製造ソリューション担当 エグゼクティブバイスプレジデントのジェフ・キンダー氏

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大により、大きな打撃を受けた自動車業界を例に、アナグノスト氏は「多くの老舗自動車メーカーが変化への対応の遅れにより大きな影響を受けたのに対し、既存のやり方に縛られなかった新興メーカーはテクノロジーを積極的に取り入れ、自動車の設計だけでなく、製造方法まで再考することで、短期市場投入を実現し、ビジネスを継続できた」と述べ、米国の電気自動車(EV)ベンチャーであるRivian Automotive(以下、Rivian)の取り組みを紹介した。

 Rivianは、製造業向けクラウドのAutodesk Fusionを導入して、各種設計/デザインツール、VR(仮想現実)を活用したデザイン検証の共同作業や、設計と製造のシームレスな連携、加工ツールパスの自動化などを実現した他、関係者全員がクラウド上の共通データモデルに基づき作業することで、リソースの最適化が促進され、より高度なモノづくりに時間と能力を割けるようになったという。

VR(仮想現実)を活用したデザイン検証の共同作業の様子 Rivianの活用事例(1)。VR(仮想現実)を活用したデザイン検証の共同作業の様子[クリックで拡大]
設計と製造のシームレスな連携を可能にし、加工ツールパスの自動化などを実現 Rivianの活用事例(2)。設計と製造のシームレスな連携を可能にし、加工ツールパスの自動化などを実現[クリックで拡大]

 アナグノスト氏に代わって登壇したAutodesk 製品開発&製造ソリューション担当 エグゼクティブバイスプレジデントのジェフ・キンダー氏は「Rivianはテクノロジーの変化に直面し、デザインと製造プロセス、さらにサプライチェーンと購買プロセスを再考した。彼らは自分たちの業界がどのように機能する必要があるかを根本から再考したのだ」とその取り組みを評価する。

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