オムロンはクラス最高読み取り性能を持つハンディDPMコードリーダー「V460-H」を2023年11月1日に日本国内で発売する。
オムロンはクラス最高読み取り性能を持つハンディDPMコードリーダー「V460-H」を2023年11月1日に日本国内で発売する。グローバルにも順次展開しており、発売後2年間で数億円の売り上げを目指す。
V460-Hは、部品に2次元コードを直接印字するDPM(ダイレクトパーツマーキング)用のハンディコードリーダーだ。特徴は読み取り性能にある。
2017年に買収した米国のマイクロスキャンの小型組み込み技術とオムロンの画像処理技術、両者の光学技術といったハードウェアとソフトウェアを高度にすり合わせることで、読み取り難易度が高い強い光沢面や湾曲面、黒い樹脂上などさまざまな見え方やサイズのDPMに対して、調整せずに業界最高水準(同社調べ)の読み取り性能を実現した。
手で持って使用するハンディコードリーダーは、現場で使用する際に落としてしまうことがある。そういった場合でも故障しないように、V460-Hは堅牢性も高いレベルで確保している。1mから3000回のランダム落下試験、さらに2mから50回の落下試験にも合格した他、IP65の防水性と各種オイルへの耐性も持つ。
制御システムとの接続に用いる通信ネットワークはEthernet/IPを採用しており、PoE(Power over Ethernet)によりデータ通信と電源供給が1本のケ−ブルで行えるため省配線となる。また、無線式のコードリーダーで起こるバッテリー切れや通信不良によるダウンタイム発生を防ぐ。
新製品開発の背景の1つにあったのは、グローバルで加速するEV(電気自動車)シフトだ。EVシフトによって、内燃機関車で使われていたエンジン、燃料タンク、トランスミッションは、モーターやバッテリーに置き換わっていく。
各メーカーがEVの開発を急ぐ一方で、ユーザーのニーズは多様化し、モノづくりの現場は品種切換に柔軟に対応する多品種混流生産が進んでいる。サプライチェーンは川上、川下の区別なく複雑化しており、部品組み付け時のミスや偽造部品の使用などを防止する、確実なトレーサビリティーの担保が課題となっている。
そういった中で、DPMは従来のように主要部品だけでなく小さい部品にまで拡大し、2次元コードもより小さく、材質や表面の状態も多様になっており、現場のコードリーダーはそれらを素早く安定して読み取ることが求められている。
コードリーダーで読み取れなかった2次元コードは、マイクロスコープを使ってモニターに拡大して改めてコードリーダーで読み取ったり、印字されている数字を作業者が手入力したりといった手間が生じる。さまざまな対象に印字された2次コードを安定して読み取るコードリーダーが求められている。
「実際にV460-Hのサンプルをユーザーに使ってもらい、他社製品と比較しても読み取り性能がいいという声をもらっている。強い手応えを感じている製品であり、しっかりと製品価値を伝えていくことで、事業成長につなげていきたい」(オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 商品事業本部 センサ事業部 トレーサビリティPMG長 経営基幹職の池原利興氏)
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