Artec 3Dは、3Dスキャンソフトウェア「Artec Studio 18」を発表した。解像度の異なるデータセットのシームレスな統合、従来バージョンと比較して最高速となるスキャンデータ処理、AIでの3Dモデル製作などの機能を搭載する。
Artec 3Dは2023年9月18日、トゥルーカラー3Dスキャンソフトウェア「Artec Studio 18(AS18)」を発表した。解像度の異なるデータセットのシームレスな統合、従来バージョンと比較して高速化したデータ、AI(人工知能)による3Dモデル製作などの機能を搭載する。
Artec Studio 18は、さまざまなツールを導入し、3Dスキャンのワークフローを効率化。リバースエンジニアリングの実施時において、設計意図を反映するための偏差を除去し、パーツの修正が容易になった。また、新しいアルゴリズムは即時に欠陥を識別し、業界許容値に納まるモデルを作成できる。
同社の機器を使用してキャプチャーした、異なる解像度の3Dスキャンデータを統合するスマートメッシュ機能(Smart Fusion)を搭載。データの位置合わせをする前に、広大な領域や大きなオブジェクトを3Dレーザースキャナー「Artec Ray II」でデジタル化し、細部のデータをポータブル3Dスキャナー「Artec Leo」で取得する。これらの機能により、迅速にスキャンデータ全体を取得できる。メッシュ化完了後は、ワンステップメッシュ最適化を実施し、編集を効率化する。
多重解像度スキャンデータを作成できるスマートメッシュ機能は、長距離用Artec Ray IIでデジタル化した領域よりも高解像度で、精度の高い完成モデルを作成できる。グローバル位置合わせ機能は従来に比べて2倍速くなっている。
また、AI強化テクスチャー改善機能を搭載。ニューラルネットワークによる解読システムを軸とした新機能により、大幅に鮮明度が向上したモデルを作成できる。アップグレードすれば、テクスチャーの解像度、品質全般も向上も可能だ。
3D比較マップは、改良によりメッシュとCADの最大偏差の設定に対応。品質保証を実施することで、迅速に誤差を確認できる。その他、厚さマッピングや許容度確認モードを搭載する。
3D計測ソリューションとしての精度は、ドイツで計測基準を扱う主要機関PTBにより認定されている。サブスクリプションユーザーは、30日間無料の体験バージョンを使用できる。
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