岩谷産業は、独自の銅鉄合金溶加材を用いて、ステンレス配管と銅配管を溶接する技術を開発した。TIGアーク溶接法で溶接すると、接合部が室温や低温環境下でも十分な引張強度を有する。
岩谷産業は2023年9月13日、独自の銅鉄合金溶加材を用いて、ステンレス配管と銅配管を溶接する技術を開発したと発表した。
銅とステンレスの主成分となる鉄は、混ぜても合金を形成せず、金属を溶かして合金を形成するアーク溶接技術の確立が困難だった。同社が独自開発した銅鉄合金溶加材を用いて、タングステンを電極棒に使用するTIGアーク溶接法で溶接したところ、接合部が室温や低温環境下でも十分な引張強度を有した。
−40℃での引張試験でも母材より破断し、溶接部から脆性破壊などの破断は生じなかった。また、疲労破壊は、配管耐圧と大気圧を200万回繰り返しても生じなかった。配管耐圧以上の応力では、溶接部から破壊は生じず母材が破壊した。
この現象に関して、東北大学大学院工学研究科の学術指導によって、接合部の金属組織を透過型電子顕微鏡で観察し、金属結合が存在していることを確認した。
同技術により、銅配管の一部をステンレス配管に変更できる。同社は現在、量産体制の構築を溶加材メーカーと共同で進めており、市場への供給を2024年には開始する予定だ。
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