レゴグループは、持続可能性についての同社の取り組みとその進捗状況について発表した。その中で、レゴブロックで使用する材料を持続可能性のある代替素材へ切り替える難易度が高く、いくつかのプロジェクトを断念したことを明らかにした。
レゴグループは2023年9月27日、持続可能性についての同社の取り組みとその進捗状況について発表した。その中で、レゴブロックで使用する材料を持続可能性のある代替素材へ切り替える難易度が高く、いくつかのプロジェクトを断念したことを明らかにした。
レゴグループでは、製品と事業を持続可能性の高いものへとするためにさまざまな取り組みを進めている。2025年までの4年間でサステナビリティイニシアチブへ4年間で3倍となる14億ドルを投資する他、2032年までにCO2排出量を37%削減し、2050年までにネットゼロ(実質的CO2排出量ゼロ)を達成することを目指している。
こうした取り組みの一環として、2032年までに製品で使用する素材を持続可能な循環型素材に切り替える方針を示していた。しかし、その道のりは簡単なものではなさそうだ。
レゴグループでは現在までに300種類以上の素材のテストを行ってきた。その中で、アクセサリーに使用しているバイオPET(ポリエステルテレフタラート)などのいくつかの素材については「可能性を示した」(レゴグループ)。ただ、最終的な製品の品質や安全性、耐久性の要件を満たしていなかったり、カーボンフットプリント削減に役立っていなかったりもしており、すぐに全面的に現行素材の置き換えに使えるような状態ではないという。
こうして断念したプロジェクトの1つが、リサイクルPETを代替素材として使うというものだ。リサイクルPETによるプロトタイプを発表した際は「楽観視していた」(レゴグループ)というが、2年間のテストの中で最終的にCO2排出量削減には貢献しないと判断し、開発を諦めたという。
ただ、こうした中でもレゴグループでは、持続可能性を達成できる代替素材の可能性を探り続けるとしている。「これが技術革新の本質であり、持続可能な素材プログラムのように複雑で野心的なものに関してはうまくいくものもあれば、そうでないものもある。われわれは、多くのことを学び、その学びを生かして新素材の開発を続け、レゴブロックをより持続可能なものにする他の方法を模索していく」(レゴグループ)。
また、こうした開発途中の進捗段階を発表したことに対し「われわれは、持続可能性への取り組みについて透明性を保つことが重要だと考えている」とレゴグループはコメントしている。
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