テルモのフルディスポーザブル硬性子宮鏡「オペラスコープ」は、既に滅菌した状態でパッケージに入っているため、一般的な硬性子宮鏡システムのような滅菌作業が不要であり、価格も5万5000円と安価に抑えられているので使用後に使い捨てる運用が可能だ。
テルモは2023年9月21日、東京都内で会見を開き、同月14日付で国内向け販売を開始したフルディスポーザブル硬性子宮鏡「オペラスコープ」について説明した。子宮鏡と小型ディスプレイが一体になった製品で、既に滅菌した状態でパッケージに入っているため、一般的な硬性子宮鏡システムのような滅菌作業が不要であり、価格(税別)も5万5000円と安価に抑えられているので使用後に使い捨てる運用が可能だ。主に、不妊治療クリニックなどに向けて、日帰り治療が可能な外来手術による子宮内膜ポリープ切除術を行う用途で提案していく方針である。
オペラスコープは、デンマークのリナメディカル(LiNA Medical)が開発した製品で、今回テルモが国内向けで独占販売を行うこととなった。2019年に米国向けに発売した後、2021年に欧州に展開を広げ、これまでに累計4万台を出荷した実績がある。
内視鏡のカニューレ先端が子宮の形に合わせて20度の角度に曲がった子宮鏡と3段階で明るさ調節が可能なLED光源、解像度400×400ピクセルの4.3インチ液晶ディスプレイ、約60分間の連続使用が可能な単三形電池2本の電池パックがセットになっており、外部装置を準備することなく子宮腔内の観察を行える。
持ち手側の先端にはHDMIケーブルがあり、よりディスプレイサイズの大きな外部モニターに接続することができる。別売りのレコーディングモジュールに接続すれば、画像のスクリーンショットや動画の記録も行える。
子宮内腔のポリープなどを切除する際には、カニューレ先端方向を回転させるダイヤル中央にディスポーザブルタイプの鉗子を挿入して施術を行う。鉗子の先端径は最大4.4mmで、バイオプシー、グラスパー、シザーズ、バスケット10mm/16mmの5種類が用意されている。
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