読者調査アンケート「設計者CAEの取り組みに関する実態調査 2023」の結果から一部を抜粋し、設計者CAEの取り組み状況や期待、満足度など、“読者の生の声”をお届けする。
MONOistおよびTechFactoryでは、読者調査アンケート「設計者CAEの取り組みに関する実態調査 2023」(調査期間2023年5月11〜29日/有効回答数287件)を実施し、集計結果のレポートを公開した。
本稿では、設計者CAEの取り組み状況や期待、満足度など、集計結果の一部を抜粋しながら読者の生の声をお届けする。
設計者CAEの実施状況に関しては、「全社で実施している」が17.4%、「一部の設計部門/チームで実施している」が44.0%、「個人レベルで実施している」が17.4%となり、約79%が何らかの形(規模感)で設計者CAEに取り組んでいることが分かった。同時に、設計者CAEを全社に水平展開できている現場は限定的であり、設計部門/チーム単位で取り組んでいる現場が多いことが見て取れる。
一方、設計者CAEに取り組んでいない現場も一定数存在しており、「実施していない(検討段階含む)」とする回答が約21%を占めた。
続いて、設計者CAEに取り組んでいるとする回答者(約79%)に対し、取り組みの開始時期を聞いたところ、「15年以上前から」が27.2%と最多となり、次いで「5年以上前から」(23.9%)、「10年以上前から」(18.3%)という結果となった。ミッドレンジ3D CADが登場した1990年代後半以降、設計者でも気軽に使えるCAEツールが3D CADのオプションとして搭載されるようになったことから、比較的古くから設計者CAEの取り組みに着手している現場が多いのではないかと推察する。
なお、アンケートでは、設計者自身が行っている主な解析内容(種類)についても聞いている。
設計者CAEに期待する効果に関しては、第1位が「試作/実験回数の削減」、第2位が「品質向上」、第3位が「手戻り削減」という結果となった。製品開発の初期段階で設計品質を高めるフロントローディングの実現に向けて、CAEが欠かせない存在であるという期待値が見て取れる。
また、実際に設計者CAEに取り組んでみての満足度について聞いたところ、「期待以上の成果を得ている」が8.5%、「期待通りの成果を得ている」が44.1%と、半数以上(約53%)が成果に満足している結果となった。一方、「どちらとも言えない」(25.4%)、「期待していたよりも成果が小さい」(14.6%)、「全く成果を感じられない」(1.4%)とする回答も一定数あることから、設計者CAE推進の難しさも垣間見える。
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