2軸回転運動による照射が可能な画像誘導型高精度X線治療装置を発売：医療機器ニュース

日立製作所は、画像誘導型高精度X線治療装置「線形加速器システムOXRAY」を発売した。O-リング型ガントリー内に、加速管、マルチリーフコリメーターを有する照射ヘッドを動作させるジンバル機構と2対のkVイメージャ装置を内蔵する。

[MONOist]

　日立製作所は2023年7月19日、画像誘導型高精度X線治療装置「線形加速器システムOXRAY（オクスレイ）」を発売した。O-リング型ガントリー内に、加速管、マルチリーフコリメーターを有する照射ヘッドを動作させるジンバル機構と2対のkVイメージャ装置を内蔵している。

高精度X線治療装置「線形加速器システム OXRAY」［クリックで拡大］ 出所：日立製作所

　OXRAYは、一般的なガントリー回転に加え、水平方向に装置土台をリング旋回できる。この2軸の回転運動により、ターゲットに対して高精度に治療用X線を照射でき、正常組織への線量を低減する。患者の寝台を動かすことなく、さまざまな方向から連続的な照射が可能だ。

　O-リング内には、直交する2対のkVイメージャ装置を搭載。正、側2方向からX線画像を同時撮像し、デュアルソースコーンビームCT画像を取得する。これにより、患者の位置照合を高速化し、撮像時間を短縮する。

　また、ジンバル機構に、超小型の加速管などの照射ヘッドやマルチリーフコリメーターを搭載する。治療ビームの照射方向を2次元的かつ動的に変化させることができるため、動くターゲットに対する追尾照射にも対応する。