NECは「日本ものづくりワールド 2023」で、製造業を取り巻く環境変化で生まれる6つの課題に対し、同社の持つさまざまな製品を組み合わせたソリューションを紹介した。
NECは「日本ものづくりワールド 2023」(2023年6月21〜23日、東京ビッグサイト)内の「第35回 設計・製造ソリューション展」に出展し、製造業を取り巻く環境変化で生まれる6つの課題に対し、同社の持つさまざまな製品を組み合わせたソリューションを紹介した。
NECではPLMシステム「Obbligato」をはじめさまざまなモノづくり関連ツールを展開しているが、従来の日本ものづくりワールドでは、これらのツールの最新情報を製品ごとに紹介してきた。しかし、今回はあらためて製造業の環境変化に注目し、それによって生じた6つの課題に合わせ、複数ツールを組み合わせたソリューションの紹介へと切り替えている。「より課題解決にフォーカスしたことが特徴だ。NEC自身が社内で実践したノウハウなどを組み合わせてこれらのソリューションを提供する」(担当者)。
6つの課題として位置付けたのは「データドリブン経営による迅速な意思決定」「在庫削減による利益拡大」「BOM/BOPミラー化による短納期開発・生産」「現場の自働化と自律改善」「品質問題への迅速な対処」「カーボンニュートラルに向けた取り組み」だ。
例えば、「現場の自働化と自律改善」では、MES(Manufacturing Execution System)やERP(Enterprise Resources Planning)などの上位システムから得られる情報と製造現場から生産設備や人情報、生産実績などの情報を一元的に管理するモノづくりデータ基盤「NEC Industrial IoT Platform」により、複数の情報を組み合わせて分析を行い、その結果を基に改善の典型的な手法などをまとめた「NEC ものづくりDX 改善ガイド」を参照しながら、改善するサイクルを繰り返すことで自律的に改善が進んでいくようにする仕組みを訴える。
また、現場から「NEC Industrial IoT Platform」へデータを収集する仕組みについてもさまざまなものを用意している。その1つとして紹介されたのが「NEC ものづくりDX 映像AI分析ソリューション」だ。これは、映像において、人の認識やモノの認識などを事前にある程度学習させたAIモデルにより、数枚の学習により通常カメラの映像だけでさまざまな事象を認識できるようにしたものだ。
例えば、人の姿勢の変化をトリガーとして、それぞれの作業のタクトタイムを取得したり、モノの位置を認識することでタクトタイムを検出するような使い方が想定できるという。「取得が難しい人作業などの他、積層信号灯の色を認識して異常を映像から判別したり、火花の検出をしたりするなど、さまざまな使い方が想定できる」(担当者)。同ソリューションは2023年7〜9月に市場投入予定だとしている。
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