より高い硬度に調整可能な金属AM向け高硬度マルエージング鋼積層造形粉末金属3Dプリンタ

プロテリアルは、金属積層造形向けの高硬度マルエージング鋼積層造形粉末「ADMUSTER-YAG350AM」の販売を開始した。一般的なマルエージング鋼よりも、さらに高い硬度に調整できる。

» 2023年06月14日 11時00分 公開
[MONOist]

 プロテリアルは2023年5月31日、金属積層造形(Additive Manufacturing)向けの高硬度マルエージング鋼積層造形粉末「ADMUSTER-YAG350AM」の販売を開始した。一般的なマルエージング鋼よりも、さらに高い硬度に調整できる。

 YAG350AMは、一般的なマルエージング鋼よりも強度が高い、マルエージング鋼「YAG350」をベースに開発。積層造形向けの一般的なマルエージング鋼粉末と同等の特性を持ちながら、より高硬度に調質できる。

 YAG350AMの造形物は、溶体化処理なしで時効処理のみ実施する場合は57HRC以上の硬度を、溶体化と時効の両方を実施した場合は最高で60HRC程度の硬度を得られる。積層造形に用いる一般的なマルエージング鋼は、溶体化処理なし、時効処理ありの場合で54HRC程度のため、YAG350AMはより高い硬度が要求される製品に適用できる。

 また、同等の硬さに調整した場合、一般的なマルエージング鋼に比べ、高温保持中の硬さの低下が緩やかなので、高温環境下で安定して使用できる。さらに、溶体化処理なし、時効処理のみで同等の硬さに調整した場合は、優れた靭性を有する。

キャプション 「ADMUSTER-YAG350AM」(溶体化処理なし)の600℃累積保持中の室温硬度変化[クリックで拡大] 出所:プロテリアル
キャプション 「ADMUSTER-YAG350AM」(溶体化処理なし)の靭性[クリックで拡大] 出所:プロテリアル

 同社は金属積層造形に適した、さまざまな特徴を持つ材料を「ADMUSTER」シリーズとして展開している。今後も同シリーズのラインアップを拡大していく。

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