そのため、TORITONでは、CODESYSとRaspberry Pi Compute Module 4を1つのパッケージにすることでユーザーのハード選定の負担をなくし、OSはリンクスがTRITON向けにLinuxを特別にチューニングした。また、TRITON発売を機に、実践的なユーザーマニュアルやレファレンスデザインガイド、ウェブサポートを再編集して提供することで、ユーザーのスムーズな製品組み込み開発につなげる。
TRITONの電源は24Vで、安全規格はCE認証を取得している。イーサネットやUSBなどの通信インタフェース、HDMIなどのディスプレイインタフェースに対応している。搭載されるCODESYSは主要なフィールドバスはサポートしている他、ビジュアライゼーションの機能であるCODESYS Web Visuも含まれている。記者会見の会場ではEtherCATでモーターを制御したり、HDMIでモニターに接続してユーザーインタフェースを表示するデモンストレーションなどが行われた。TRITONを既に導入している企業が十数社あるが、商談時には「こういう製品を待っていた」「すぐにテストしたい」などの声が聞かれたという。
トヨタの具体事例から見えてくる、データ動線整理の重要性
産業用IoT(IIoT)の活用が広がりを見せているが、日本の産業界ではそれほどうまく生かしきれていない企業も多い。IIoT活用を上手に行うためには何が課題となり、どういうことが必要になるのか。本稿ではIIoT活用の課題と成果を出すポイントを紹介している。第8回では、「IoT活用に向けたデータ動線整理」について、トヨタ自動車の工場へのSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)導入事例を通して解説したい。