北欧地域では、デジタルヘルスの相互運用性標準化に向けた施策も着々と実行されている。例えば2022年6月15日、フィンランドのヘルシンキで開催された医療情報管理システム学会(HIMSS)欧州医療カンファレンス&展示会の中で、「北欧デジタルヘルス・評価基準(NordDEC)」プログラムの開始が発表された(関連情報)。NordDECは、ノルディックイノベーションが設立した「北欧相互運用性プロジェクト(NIP)」(関連情報)と、北欧保健医療産業界からの資金拠出を受けて新設されたプログラムである。
デジタルヘルス製品/サービスの評価基準については、英国の医療・健康アプリケーション審査機構(ORCHA)(関連情報)が開発した認定フレームワークを採用している。なおORCHAは、2022年5月2日、米国内科学会(ACP)および米国遠隔医療学会(ATA)との間で、新たなデジタルヘルス評価フレームワークの構築に関する提携を発表している(関連情報)。
NordDECは、デジタルヘルスにおいて安全性と有効性の保証を提供するために必要な標準規格向けの共通基準を提示したものであると同時に、医療提供者向けに、医療および予防ケアの中で信頼されたデジタルヘルス技術を評価・特定するための明確なフレームワークを提供するものである。その中には、以下のようなものが含まれる。
具体的な評価の際には、以下のような質問項目について、「価値」および「リスク」のスコア付けを行う。
NordDECは、上記の標準規格に従って、北欧5カ国でデジタル製品/サービスのパイロット評価を実施し、地域共通のベンチマークを確立するとともに、製品開発者や技術オーナーが新製品計画や新規マーケットアクセス戦略を策定する際に、明確なパラメーターを持って支援する指針を提供する予定である。その次のステップとして、医療専門家が安全かつ自信を持って利用できる高品質のアプリケーションを網羅する北欧発のデジタルライブラリーを構築するとしている。
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