材料開発向けデータマネジメントプラットフォームの国内販売を開始:製造ITニュース
長瀬産業は、材料開発向けデータマネジメントプラットフォーム「Uncountable」の国内販売を開始した。データから実験計画を立案し、実験後のデータを解析、分析するほか、実験指示書やレポートなどを一元管理して情報を共有できる。
長瀬産業は2022年10月13日、Uncountableが開発した、材料開発向けデータマネジメントプラットフォーム「Uncountable」の国内販売を本格的に開始すると発表した。
材料開発分野では、AI(人工知能)の機械学習などを活用して配合や物性予測をし、新たな素材を探索するマテリアルズインフォマティクス(MI)が用いられている。Uncountableは、MIに必要なデータを蓄積でき、データ解析機能やレポート管理機能を有する。
具体的には、原料や比率などさまざまなパラメーターを利用者がマスター設定できる「電子実験ノート機能」や、目標の物性をターゲットとする配合レシピを提示する「配合レシピ推奨機能」、配合レシピを基に実験指示を出し、トラッキングできる「実験リクエスト機能」を備える。
また、過去の実験情報に容易にアクセスできる高度な検索機能、データをさまざまな形に可視化して、相関分析や特徴量探索に活用できる機能も持つ。
蓄積したデータから実験計画を立案し、実験後のデータを解析、分析する材料開発サイクルが可能になるほか、実験のデータや指示書、レポートなどを同プラットフォームで一元管理できる。これにより、研究者間の情報共有もしやすくなる。
プラットフォーム全体イメージ[クリックで拡大] 出所:長瀬産業
長瀬産業は今後、同プラットフォームを国内材料メーカー向けに販売。同社が提供するSaaS型プラットフォーム「TABRASA」などと併せて、研究開発におけるMIを包括的にサポートしていく。
⇒その他の「製造ITニュース」の記事はこちら
- 日立と産総研が“強者連合”、日本発でサーキュラーエコノミー技術を発信へ
日立製作所と産業技術総合研究所は、産総研臨海副都心センター(東京都江東区)内に「日立−産総研サーキュラーエコノミー連携研究ラボ」を設立した。同連携研究ラボには、日立から約20人と産総研から約20人、合計約40人の研究者が参加し、2025年10月10日までの3年間で10億円を投じる計画である。
- 電子実験ノートでR&Dを効率化、非開発業務の工数削減を果たした日華化学
ダッソー・システムズは2022年7月6〜26日にかけて、年次カンファレンス「3DEXPERIENCE CONFERENCE JAPAN 2022」をオンラインで開催した。本稿では日華化学 化学品部門 界面科学研究所 副所長 兼 研究開発推進部長の齋藤嘉孝氏による講演「データ駆動型R&Dに向けた第一歩/電子実験ノートの導入」の内容を紹介する。
- AGCが内製ツールで挑むマテリアルズインフォマティクス、新組成を8倍速で発見
AGCは2022年6月から本格運用を開始した独自開発マテリアルズインフォマティクス(MI)ツールについて説明。「ARDIS」と「AMIBA」の2つで、2025年をめどに技術本部R&D部門へのシステム導入と、これらMIツールを活用できるMI人材の育成を完了させる計画である。
- 進まない研究のデジタル化、オリンパスはワークフローにフォーカスする
さまざまな産業でデジタル化の推進が求められている中、最も進展が遅いと指摘されることも多いのが「研究」である。科学機器大手のオリンパスが2021年10月に提供を開始したクラウドサービスの「OLSC」は、ライフサイエンス研究を行う大学や研究所における研究者のワークフローの支援にフォーカスすることで課題解決を目指している。
- ラボの分析機器にもDXを、CBMによる予防保全とAR活用リモートサポートを提供
アジレント・テクノロジーが同社の分析機器向けに提供しているデジタルツールについて説明。ダウンタイムの短縮や修理コストの削減などにつながる予防保全のための「Smart Alerts」や、AR技術を用いたリモートサポートアプリ「CrossLab Virtual Assist」などの展開を2021年から推進しており、分析機器を活用するラボにおけるDXを支援する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.