顧客成功のための人的支援も強み、CO2排出量見える化基盤提供のゼロボード脱炭素経営EXPO2022

ゼロボードは「第2回 脱炭素経営 EXPO」において、GHG排出量の算定、可視化を行うクラウドプラットフォーム「zeroboard」の展示を行った。

» 2022年09月06日 10時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 ゼロボードは「第2回 脱炭素経営 EXPO」(2022年8月31日〜9月2日、幕張メッセ)において、GHG(温室効果ガス)排出量の算定、可視化を行うクラウドプラットフォーム「zeroboard」の展示を行った。

ゼロボードの展示スペースの外観[クリックして拡大]

 zeroboardはGHGプロトコルにのっとり、スコープ1、2、3の可視化、算定を実現するサービスで、さまざまなツールや取引先企業とのデータ連携に対応している。パナソニックや日立製作所、ヨネックスなど製造業の他、エネルギーや建設、物流業界などが活用しており、現時点で導入企業数は1800社を超える。

 機能面での特徴として、カーボンフットプリントの算定方法を2種類用意している点が挙げられる。具体的には、組織全体で発生したCO2排出量を製品やサービスの寄与度で案分して算出する方法と、製品やサービスの原材料などのCO2排出量を積み上げて算出する方法がある。案分と積み上げ方式を組み合わせる形で、カーボンフットプリントを算定することも可能。ゼロボードの担当者は「積み上げ方式は自社内に算定の知見やデータ収集の仕組みがないと採用が難しいが、案分方式であれば取り組みやすい。自社に最適な形で可視化に着手できる」とメリットを説明する。

 また、サービスのプランによるものの、ゼロボードはカスタマーサクセス実現のための人的支援を展開している点を独自の強みとしている。導入先企業のカーボンニュートラルに関する知識やノウハウのレベルに合わせて、業種ごとの算定すべき項目などを伝えるなど、CO2排出量の可視化や算定を実現する支援を提供する。

 カスタマーサクセスの施策の一環として、カーボンニュートラル実現に向けた組織づくりについての提案も行う。特にスコープ3の算定に必要となるデータは、社内で統一的に管理されておらず、部署ごとにばらばらに保管されているケースも多い。例えば、「仕入れた原材料の量や金額は調達部門が、現場で稼働している従業員の数や、部門や設備ごとの電気代は総務部門が把握している」(同担当者)といった具合だ。このため、ゼロボードでは、組織内でデータをどのように集約するべきかなど、専門家を介して組織体制面でのアドバイスも行う。

 同担当者は「CO2排出量は算定したらそれで終わりではなく、その施策をいかに継続していくかが課題になる。また、将来的にはCO2排出量の実績値である一次データの取得が望ましいとされているものの、現時点では排出原単位などを基にした二次データの収集を行わざるを得ない企業もある。当社としても、こうした企業が将来の目標達成を実現するための支援の手段を提供していきたい」と語った。

zeroboardの展示スペース内説明パネルの様子[クリックして拡大]

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