オープンソースのプロセッサコア「RISC-V」に基づく半導体IPプロダクトを展開するSiFiveが、日本法人「SiFive Japan株式会社」の設立を発表した。2022年8月に法人登記を完了する予定で、代表取締役社長には、ザイリンクス日本法人の社長を務め、スパンションやAMDの日本法人でも活躍してきたサム・ローガン氏が就任する。
オープンソースのプロセッサコア「RISC-V」に基づく半導体IPプロダクトを展開するSiFiveは2022年7月28日、東京都内で会見を開き、日本法人「SiFive Japan株式会社」の設立を発表した。同年8月に法人登記を完了する予定で、代表取締役社長には、ザイリンクス日本法人の社長を務め、スパンションやAMDの日本法人でも活躍してきたサム・ローガン氏が就任する。
ローガン氏はSiFiveの日本と韓国担当のバイスプレジデントも兼任する。同氏は「かつてあったプロセッサコアの戦争はArmの勝利で終わったが、現在そのArmがイノベーターのジレンマに陥りつつある。Armは30年かけて今の独占的な状況を築き上げたが、後発となるオープンソースのRSIC-Vは既に数十億コアの出荷実績を積み重ねており、Armよりもっと早く成長する可能性がある。また、組み込み向けのイメージが強いRISC-Vだが、より高機能のアプリケーションでも採用が広がりつつある」と語る。
なお、SiFive Japanは羽田空港や新幹線へのアクセスの良い東京・品川にオフィスを置く予定で、当初の従業員数はローガン氏を含めて4人を想定している。業務としては代理店のDTSインサイトと連携しての販売支援、技術サポートが中心となるが、追ってQA(品質保証)関連の人材などを拡充させたい考えだ。
SiFiveは、カリフォルニア大学バークレー校 教授のクルステ・アサノビッチ(Krste Asanovic)氏をはじめとするRISC-VのISA(命令セットアーキテクチャ)を開発した3人の研究者が2015年に設立した企業である。SiFive米国本社 事業開発・顧客体験・コーポレートマーケティング担当 シニアバイスプレジデントのジャック・カン(Jack Kang)氏は「RISC-Vはオープンであることが他のプロセッサコアと決定的に異なっている。現在、RISC-Vは非営利団体のRISC-V Internationalで標準化が進められており、同団体の議長はアサノビッチ氏が務めている。SiFiveは、このオープンなRISC-Vを商用化し、さまざまな製品に実装するために必要なものを用意している」と述べる。
6人で創業したSiFiveの従業員数は現在750人以上で、デザインウィンは300以上、採用社数は100社以上となり、半導体メーカーのグローバルトップ10社のうち8社と協業してるという。直近で1億7000万米ドル資金調達を行っており、企業価値は25億米ドル以上に達する。
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