業務効率化の道具箱(2)ショートカットキーも積もれば山となる山浦恒央の“くみこみ”な話(155)(3/3 ページ)

» 2022年07月19日 08時00分 公開
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5.3 全選択(Ctrl+A)

 文書の一部を選択する場合はマウス操作でも構いませんが、全体を選択する場合は、選択に時間がかかりますね。この場合は、「Ctrl+ A」で全選択が可能です。

図5 図5 全選択のショートカットキーを使う様子

 図5のショートカットキーの使用例では、「Ctrl+A」を押すという1つの動作だけで全選択できます。

5.4 上書き保存(Ctrl+S)

 文書を一時保存したい時に、上書き保存は便利です。

図6 図6 マウスを使った上書き保存の実行例

 図6のようにGUI操作で上書き保存する場合、ファイルメニューを開いて、上書き保存を行う必要があります。

 ショートカットキーの場合、「Ctrl+S」と押すだけで上書き保存ができます。筆者も原稿を書くときはWordを使いますが、定期的に「Ctrl+S」を使って、ファイルを一時保存します。なお、ファイル保存済みでない場合は、名前を付けての保存になります。

5.5 元に戻す(Ctrl+Z)

 文書やプログラムを作っていると、例えば、誤操作をして「前の記述に戻したい」時があります。

図7 図7 マウスを使った元に戻すの操作例

 図7のようにGUI操作で元に戻す場合、「編集」メニューから「元に戻す」を選択します。

 ショートカットキーでは、「Ctrl+Z」で元に戻すことができます。なお、ツールによって戻れる回数には制限があります。

6.終わりに

 今回は、機器の習熟度を上げる例として、便利なショートカットキーを紹介しました。皆さんは既に知っているでしょうが、PC使用者の対象範囲を少し広げると、使いこなしている人はそれほど多くありません。周囲に知らない人がいれば、ぜひ教えてあげてください。グループの作業効率が上がりますし、エラーも減ります。

 ショートカットキーを使う改善効果は、全体の工数から考えれば大きな改善効果がないように見えますが、「塵」はしっかり積もります。簡単で小さいところから効率化を始めましょう。この1%、2%の差が最後には非常に大きな成果に化けます。さまざまなアプリケーションにおいて、主要な操作はショートカットキーが割り当てられています。ぜひ、調べて活用してください。

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【 筆者紹介 】
山浦 恒央(やまうら つねお)

東海大学 大学院 組込み技術研究科 非常勤講師(工学博士)


1977年、日立ソフトウェアエンジニアリングに入社、2006年より、東海大学情報理工学部ソフトウェア開発工学科助教授、2007年より、同大学大学院組込み技術研究科准教授、2016年より非常勤講師。

主な著書・訳書は、「Advances in Computers」 (Academic Press社、共著)、「ピープルウエア 第2版」「ソフトウェアテスト技法」「実践的プログラムテスト入門」「デスマーチ 第2版」「ソフトウエア開発プロフェッショナル」(以上、日経BP社、共訳)、「ソフトウエア開発 55の真実と10のウソ」「初めて学ぶソフトウエアメトリクス」(以上、日経BP社、翻訳)。


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