文書の一部を選択する場合はマウス操作でも構いませんが、全体を選択する場合は、選択に時間がかかりますね。この場合は、「Ctrl+ A」で全選択が可能です。
図5のショートカットキーの使用例では、「Ctrl+A」を押すという1つの動作だけで全選択できます。
文書を一時保存したい時に、上書き保存は便利です。
図6のようにGUI操作で上書き保存する場合、ファイルメニューを開いて、上書き保存を行う必要があります。
ショートカットキーの場合、「Ctrl+S」と押すだけで上書き保存ができます。筆者も原稿を書くときはWordを使いますが、定期的に「Ctrl+S」を使って、ファイルを一時保存します。なお、ファイル保存済みでない場合は、名前を付けての保存になります。
文書やプログラムを作っていると、例えば、誤操作をして「前の記述に戻したい」時があります。
図7のようにGUI操作で元に戻す場合、「編集」メニューから「元に戻す」を選択します。
ショートカットキーでは、「Ctrl+Z」で元に戻すことができます。なお、ツールによって戻れる回数には制限があります。
今回は、機器の習熟度を上げる例として、便利なショートカットキーを紹介しました。皆さんは既に知っているでしょうが、PC使用者の対象範囲を少し広げると、使いこなしている人はそれほど多くありません。周囲に知らない人がいれば、ぜひ教えてあげてください。グループの作業効率が上がりますし、エラーも減ります。
ショートカットキーを使う改善効果は、全体の工数から考えれば大きな改善効果がないように見えますが、「塵」はしっかり積もります。簡単で小さいところから効率化を始めましょう。この1%、2%の差が最後には非常に大きな成果に化けます。さまざまなアプリケーションにおいて、主要な操作はショートカットキーが割り当てられています。ぜひ、調べて活用してください。
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東海大学 大学院 組込み技術研究科 非常勤講師(工学博士)
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