日本自動車工業会 電動二輪車委員会 電動二輪車普及部会は2022年7月4日、2020年秋から1年半にわたって実証実験を実施してきたプロジェクト「eやんOSAKA(ええやんおおさか)」の成果を発表した。
日本自動車工業会 電動二輪車委員会 電動二輪車普及部会は2022年7月4日、2020年秋から1年半にわたって実証実験を実施してきたプロジェクト「eやんOSAKA(ええやんおおさか)」の成果を発表した。
同プロジェクトでは、大阪大学の学生や教職員にバッテリー交換式の電動二輪車を有償で貸し出し、大学内や大学近辺のバッテリー交換ステーションで電池を交換しながら自由に使ってもらった。その結果、バッテリー交換の手軽さや、電動二輪車の利便性に一定の高評価を得た。
バッテリー交換式電動二輪車とバッテリー交換ステーションの普及は、二輪車メーカー4社とENEOSホールディングスが立ち上げた新会社「Gachaco(ガチャコ)」で引き続き取り組んでいく。経済産業省の実証事業である「電動二輪交換式バッテリー整備・運用モデル構築実証事業」に採択されており、2022年度の秋からは東京と大阪でバッテリー交換ステーションの整備や、運用モデルの検討を行う予定だ。
eやんOSAKAには、大阪府、大阪大学、ホンダ、カワサキモータース、スズキ、ヤマハ発動機が参加。3カ月間を1期とし、2020年10月〜2022年3月まで6期にわたって実証実験を実施した。1期につき原付1種の電動バイクを20人に貸し出した。2021年10月から(第5〜6期)は、原付2種の電動バイクも追加し、1期につき5人にレンタルした。大阪大学の学生や教職員などが6期合計で130人参加した。
利用料は月額1000円で、バッテリーを無制限に交換できることとした。バッテリー交換ステーションは大学内に2カ所設置。また、2021年1月から(第2期以降)はローソンが協力しており、大阪大学近隣のローソン10カ所にもバッテリー交換ステーションを設置した。バッテリーは106個投入された。
ローソンは各店舗のエアコンや照明を遠隔から制御して節電し、電力の需給バランスの改善に貢献できるか検証を進めている。770店舗を対象に遠隔制御を実施した結果、1MWhの省エネを達成した実績がある。店舗にバッテリー交換ステーションを設置すると分散型電源として期待できることから参加を決めた。
実証実験の参加者の募集には、既に参加した人からの紹介などで毎回定員を上回る応募があったという。また、二輪を初めて経験する人が過半数を占めた。季節変動はあるものの、参加者の走行距離は毎月100〜300km、1日当たり3〜10kmとなった。ガソリンエンジンの原付とそん色ない走行距離だったとしている。
今後、商用サービスとして東京と大阪で展開するに当たってのガチャコでの料金設定は調整中だ。利用距離に応じた月額料金を設定することで、事業性を確保していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.