　矢野経済研究所は2022年5月31日、量子技術関連の技術、サービス世界市場に関する調査結果を発表した。量子シミュレーション、量子センシング、量子暗号通信、量子生命科学、量子物性、量子材料、量子AI（人工知能）の7分野の量子技術に関する技術、サービスを対象に、世界市場の現状と今後の動向について調査した。

　今回の調査では、同市場の2025年の世界市場規模を3兆4618億円になると予測する。量子技術はさまざまな産業分野において注目が高まっており、研究開発予算も増加傾向にある。これらが今後も継続することで、同市場規模は2050年には70兆3640億円に達する見込みだ。

量子技術に関連した技術、サービス（7分野）世界市場規模予測［クリックで拡大］出所：矢野経済研究所

　また、注目トピックスの1つとして、「生体ナノ量子センサー」を紹介。生体ナノ量子センサーは、ナノメートルサイズの特殊なダイヤモンドNV（Nitrogen-Vacancy）センサーを用いて、生きた細胞内の生体分子の回転運動を3次元計測するものだ。これまでに生体分子の回転運動や、がん細胞表面の受容体に抗がん剤が結合したときの動きの計測に成功しており、新薬研究や再生医療分野などでの利用が期待されているという。

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