デンソーテンは、音響信号から振動信号をリアルタイムで自動生成する技術を開発した。ユーザーインタフェースとして車両のシートなどに組み込むことで、注意喚起や進路指示を振動で伝えられる。
デンソーテンは2022年4月26日、音響信号から振動信号をリアルタイムで自動生成する技術を開発したと発表した。ユーザーインタフェースとして車両のシートなどに組み込むことで、注意喚起や進路指示を振動で伝えられる。同社は2022年度中に、同技術を搭載したソフトモジュールの実用化を目指す。
今回開発した技術は、映像や音響信号を含む3Dオブジェクトデータを、振動制御ソフトモジュールに取り込むことで、振動効果を与える場面やタイミングを自動で検出し、音響振動と連動した振動信号をリアルタイムで自動生成する。
座面や背もたれに組み込んだ複数の振動デバイスに対して、入力信号の振幅、周波数、遅延などを個別に制御できる。これにより、デバイス数が限られる場合でも、振動感や振動の方向感を再現できる。
例えば、車載カメラやマイクの3Dオブジェクトデータを使うことで、周囲車両などの接近情報を振動に変換できる。ナビゲーションと連動すれば、右左折時の進路指示を振動の方向で伝えられる。運転シミュレーターに組み込めば、より現実に近い運転体験を提供できる。
従来の技術では、振動効果を与える場面を人が特定し、その場面に対応した振動信号を事前に人が準備するため、リアルタイムでの信号生成が難しかった。同技術により、視覚や聴覚に加え、触覚を活用したシステムを構築可能になり、より直感的な状況判断と安全な運転体験を提供する。
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