無錫村田電子が2023年にRE100達成へ、まずは太陽電池搭載の立体駐車場を導入脱炭素(2/2 ページ)

» 2022年05月24日 06時30分 公開
[朴尚洙MONOist]
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村田製作所グループ全体と比べて積極的な目標を掲げる

 今回の会見に合わせて、中国の環境政策に合わせた無錫村田電子の気候変動対策を発表した。中国は、2030年にカーボンピーク、2060年にカーボンニュートラルの達成を目指す「3060計画」を2020年9月に発表している。この3060計画の達成に向け、2021〜2025年の第14次5年間計画では、GDPの単位当たりのエネルギー消費量を13.5%、CO2排出量を18%削減するなど、かなり厳しめの目標が掲げられた。

中国の環境政策 中国の環境政策[クリックで拡大] 出所:村田製作所

 そこで無錫村田電子は、2023年にRE100、2025年にGHGプロトコルのスコープ1と2でのカーボンニュートラル、2030年にスコープ3まで含めたカーボンニュートラルの実現を目標とする中長期の気候変動対策のロードマップを策定した。今後は、毎年の省エネ目標3%を継続するとともに、立体駐車場に加えて工場の屋根などに太陽光発電パネルを設置した上で、これまでの火力発電に基づく電力を再生可能エネルギー由来に100%入れ替える方針だ。

無錫村田電子の気候変動対策 無錫村田電子としての気候変動対策立体駐車場の概要[クリックで拡大] 出所:村田製作所

 なお、村田製作所グループ全体としては、2024年度に温室効果ガス排出量を2019年度比で20%減、2030年度に同46%減、再生可能エネルギー導入比率は2024年に25%、2030年度に50%、2050年度に100%を目標としている。GHGプロトコルのスコープ3については、2030年までに2019年度比で27.5%削減となっているので、2030年にスコープ3を含めたカーボンニュートラルを実現するという無錫村田電子の目標は、村田製作所グループ全体と比べてもかなり積極的といえる。

村田製作所グループ全体での気候変動対策の目標村田製作所グループ全体でのスコープ1、2、3対応 村田製作所グループ全体での気候変動対策の目標(左)とGHGプロトコルのスコープ1、2、3への対応(右)[クリックで拡大] 出所:村田製作所

 また、同じく無錫にあるリチウムイオン電池工場の村田新能源についても、太陽光発電パネルの設置や、金津村田製作所(福井県あわら市)に導入した蓄電池システムなどを採用するなどして、再生可能エネルギー導入比率を高めていく方針である。

無錫市内の村田製作所拠点での気候変動に向けた取り組み 無錫市内の村田製作所拠点での気候変動に向けた取り組み[クリックで拡大] 出所:村田製作所

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