資本業務提携と同時発表となった新サービスであるソラカメは、ATOM Camシリーズの「ATOM Cam 2」を「ポンと置くだけ」(ソラコム)で、クラウドカメラを迅速かつ安価に導入できるというものだ。カメラの映像データは24時間録画され、AWSのクラウドサーバに保存される。
ATOM Cam 2のサイズは58×50×52mmで、重さは100g。フルHDのWi-Fi対応カメラで、映像はスマートフォンなどから確認、管理可能。夜間でも鮮明に映像が見えるカラーナイトビジョン機能に加えて、赤外線LEDなども搭載している。IP67準拠の防水防塵(じん)性能を持つ。画角を調整しやすいマルチアングル構造を持ち、内蔵磁石や両面テープで壁面に設置できるので場所を問わずに導入しやすいという。
使用の流れは以下の通り。ユーザーはまず、Android/iOS対応の専用アプリケーションを通じてカメラの初期登録を行う。以降はアプリ上で複数のカメラ映像を同時に確認できる他、カメラ自体の遠隔管理、設定もできるようになる。カメラに搭載したマイクによる双方向通話も行える。この他、動きや音を検知するモーション検知録画機能によって、映像内に何らかのモーションがあった場合、録画を基に状況を確認可能だ。
カメラ本体の初期費用は税込みで2980円。なお、2022年5月25日までに利用申し込みをすると1490円で購入できるというキャンペーンを実施している。クラウドへの常時録画サービスも提供しており、保存期間が7日間の場合は1台当たり月額990円で、14日間は同1650円、30日間で同2160円でライセンスを取得できる。月額費用は初月無料。
ソラコム 代表取締役社長の玉川憲氏は「従来、企業がIoTを使ったデジタル化、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるに当たり、カメラ活用はハードルが高いものだった。要因の1つが初期投資の高さだ。ハードウェアに加えてクラウドネットワークの構築費用などがかさむ。他にも、操作も複雑で一般的な人が扱いにくい、セキュアなデータ保存環境の構築が難しいといった課題もあった」と指摘した。ソラカメはWi-Fiとカメラ、スマートフォンがあれば手軽に設置、操作、管理できる上、録画データもAWSのクラウド基盤でセキュアに保存できるため、これらの課題解決に貢献し得るという。
現時点では、主にカメラを通じた遠隔目視や、モーション検知録画機能による異常検知といった用途でのニーズを見込む。例えば、製造業では設備機器のアナログ/デジタルメーターを遠隔目視するといった用途で使える可能性がある。
玉川氏は、現状のソラカメは比較的シンプルな機能構成になっているとした上で、「既にソラカメのテスターから、AI(人工知能)アルゴリズムの搭載や、各種サービスとのAPI連携、セルラー内蔵化などに関する要望をもらっている。AIを適用するのであれば、エッジ側(ATOM Cam 2)ではなくクラウド側でAIを動作させる方式になるだろう。当社が展開してきたAIアルゴリズムのマーケット『S+ AIマーケット』との連携を図るなど、継続的な機能向上に努めたい」と語った。
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